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大画面テレビ&BD時代のサラウンド入門 第5回

大音量が出せない? ならばヘッドホンで「静音」サラウンド!

2009年12月01日 12時00分更新

文● 川添貴生/インサイトイメージ

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オーディオテクニカの「ATH-DWL5000」。実売価格10万円前後

オーディオテクニカの「ATH-DWL5000」。実売価格10万円前後

映画も音楽も段違いの音質で楽しめる
オーディオテクニカ「ATH-DWL5000」

 希望小売価格11万5500円の高級サラウンドヘッドフォン。ただ発売からすでに2年が経過しており、7万円以下で販売されているケースもある。2年前の製品という点に引っかかるかもしれないが、現在でも十分満足して使える製品だ。

 ATH-DWL5000は2.4GHz帯の無線を利用するワイヤレス方式で、ドライバは53mmという大型のものを採用。トランスミッタは小型ながら、入出力インターフェイスは豊富。まず入力は光角形×2、同軸丸形×1を備えるほか、ステレオ、そして5.1ch分の入力端子まで備えている。出力はスルー出力の光角形と、ステレオ出力がある。

トランスミッタ背面。デジタル入力端子は光角型のほか同軸も搭載する

トランスミッタ背面。デジタル入力端子は光角型のほか同軸も搭載する

トランスミッタ操作部。インジケーターが多い

トランスミッタ操作部。インジケーターが多い

 対応するサラウンドフォーマットは「ドルビーデジタル」と「DTS」「AAC」。バーチャルサラウンド技術には「ドルビーヘッドフォン」を採用する。ドルビーヘッドフォンは入力された音声を2chのヘッドフォン用に擬似的にサラウンド化するという技術だ。

ヘッドフォン装着イメージ

ヘッドフォン装着イメージ

 一般的な室内でのサラウンド環境を再現する「DH1」、反響音を強めた「DH2」、そしてホールのような広い空間を再現する「DH3」の3つのモードからサラウンド効果を選択できる。実際に試したところ、DH1のサラウンド効果は控えめだが、DH2にするとグッと空間的な広がりが実感できる。DH3は残響音が強く映画には向かないが、ライブ映像などではホールの雰囲気が味わえて楽しい。

 音質はきめ細やかで、小さな音でもしっかり存在感を持って伝えてくれる。また特定の音域が強調されることはなく全般的にフラットで、高音から重低音までしっかりと出力してくれる。サラウンド効果に加え、こうした音のリアルさで高い臨場感を得られる。

 当然音楽再生においても、ヘッドフォンの性能の高さを存分に感じられる。コンポなどに接続しておき、ワイヤレスで音楽を聴きたいときに使ってもまったく不満はないだろう。

ヘッドフォンは単3電池2本で稼働する

ヘッドフォンは単3電池2本で稼働する

今回紹介する機種で唯一リモコンが付属する

今回紹介する機種で唯一リモコンが付属する

 ユニークなのは、ドルビーヘッドフォンに加え、2chのスピーカーでバーチャルサラウンドを実現する「ドルビーバーチャルスピーカー」機能が搭載されている点。適当なアンプ内蔵スピーカーを接続すれば、ヘッドフォンを使わずにバーチャルサラウンドで映画を楽しむこともできる。AVアンプを買うほどではないが、ちょっといい音で映画を楽しみたいと考えるユーザーにはピッタリだろう。

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