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取引先が信用するネットショップを1年で作る方法 (1/2)

2009年11月25日 11時00分更新

文●三浦たまみ

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※この記事は、「徹底解剖! 成功ネットショップの現場ノウハウ」の第24回です。過去の記事もご覧ください。


利益率を上げるオリジナル商品開発のコツ

 開業当初は仕入れ商品のみでスタートしたネットショップも、売り上げが順調に伸び、取引先との信頼関係がある程度できた段階になるとオリジナル商品の開発・販売を考え始めます。仕入れ商品は他店に目をつけられるとたちまち価格競争に陥ってしまいますが、オリジナル商品なら利益率を高く設定できるため、顧客にしっかり受け入れられれば安定収入に結びつきます。

 『枕ぐっすりショップ! 本店』『抱き枕.com』など10サイトのネットショップを運営しているまくら株式会社の河元智行さんは、2003年の開業直後から、オリジナル商品の枕の開発に着手しました。現在、以下のようなマシュマロ枕(写真のピンクの抱き枕参照)をはじめ、数多くの商品をオリジナル開発しています。

オリジナル商品

まくら株式会社ではさまざまなオリジナル商品を開発・販売している


「わがまま」に応えてくれる取引先とのつながり

 河元さんが早い段階から考案していたオリジナル枕は、セミオーダー枕。好きな素材、サイズ、形を選ぶことができ、下は1800円から上は1万5000円まで、118もの組み合わせを用意しています。

オリジナル商品

当初から考えていたという「セミオーダー枕」


「当時、選べる枕ってほとんど見かけなかったんです。枕専門店をオープンする以上、市場に出回っていなくても、『○○みたいな枕があれば…』と感じたことは、どんどん商品化したいと思っていました」

 河元さんは地元の千葉県内にある、家族経営の小規模な枕製造工場に出向き、オリジナル商品を製造してもらえないか打診します。枕専門店として、どこにも負けない品揃えにしたいことなどを熱意を持って伝えたところ、快く取引に応じてもらえました。このとき大切なのは、契約前に“ここだけは譲れない”という条件を提示しておくこと。河元さんの場合は、「1個からの注文でも請け負ってもらえるか」でした。

「開業当初は月の売り上げが数万円という月もありましたし、将来的にどこまで売れるのかは未知数の状態。リスクを最小限に抑えるためにも、在庫を抱えないようにするためにも、1個から仕入れができることにこだわりました」

 現在、この枕製造工場にオリジナル商品の7~8割を発注しているという河元さん。契約当初は何日も発注できないことがザラにありましたが、今では1日につき20~30個の枕をコンスタントに発注できるまでに成長しました。

 また、セミオーダー枕のサイズにぴったり合う枕カバーもオリジナル商品として製品化。本体とセットで買う人が増えているそうです。

「枕カバーについては、柄モノではなくシンプルな無地のものが色違い、素材違いで多数あればいいのにな、と思っていたので、それを形にしました。枕を購入した人が枕カバーも購入してくださるケースは多く、洗い替え用に2枚、3枚と購入されるお客様も多いので、まとめ買いにも結びついていますね」


■今回の成功ネットショップ:
『枕と眠りのおやすみショップ!』『抱き枕.com』

抱き枕.com


2002年「枕の総合情報サイト ぴろコレ」という個人サイトを立ち上げ。翌年6月『まくらぐっすりショップ』でネットショップ開業。その後、ヤフー店、楽天店を立ち上げ、2005年3月には『抱き枕.com』『低反発.com』を新たにオープン。 2008年度の前期の売り上げは1億7000万円に達している。

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