「GR LENS」ユニットを試す!
今回は単焦点レンズとほぼAPS-Cサイズの約1230万画素CMOSセンサーを搭載したレンズユニット「GR LENS A12 50mm F2.5 MACRO」(以下A12)を試用することができた(なお、試用したのは製品版前の機種で、撮影サンプルの画質などは実際の製品とは異なる可能性がある)。
GXRに装着すると50mm単焦点レンズはややぼってりと本体から飛び出し、フォーカス時にはさらに鏡胴部からレンズが伸長するため、同じ単焦点でもGR系のスリムさと比べるとかなり印象の異なるデザインとなる。レンズ鏡胴部にはフォーカスリングも備えているため、ダイヤルなどで操作するよりもかなり使いやすい。
撮影サンプル
実際に撮ってみると、さすがに一眼レフデジタルカメラなみの撮像素子と単焦点レンズの組み合わせはすごい。GRの絵作りがあくまでコンパクト機における高品位画像といった感じだったのに対し、A12ではフォーカス位置でのシャープさ、浅い被写界深度によるボケ具合など、コンパクト機らしからぬ絵作りだ。また暗部の階調や高感度時のノイズ処理もかなりうまく処理されており、画質に関しては一眼レフ普及機と同クラスと言っても過言ではないだろう。
GRとして楽しむかGXとして使うか
GXRはGRとGXの機能を盛り込んで強力なコンパクトカメラシステムに仕上がっている。とはいえ、GXRが文句なくオススメかというと、かなり悩むところ。GXR用のもう1つのカメラユニットである「RICOH LENS S10 24-72mm F2.5-4.4 VC」(以下、S10)は焦点距離や光学式手ぶれ補正の搭載など、ほぼ「GX200」と同程度のスペックになるのだが、比較的リーズナブルなGX200(実売価格5万円以下)に比べてGXR(予想実売価格5万円前後)+S10(同4万円前後)で、計9万円前後になる。
カメラユニットをA12に交換すればGRを超える絵が撮れるというのは確かに魅力ではあるが、それでもGXR+A12(予想実売価格7万5000円前後)を揃えればGRIIIとGX200を一緒に買えてしまう金額であり、写真の品質だけでなく満足度という点を考えてもみても費用対効果を考えてしまう。
これが一眼レフ機であれば、レンズ選択肢という利点があるのだが、現状ではカメラユニットが2種類だけなので物足りなさも否めない。
現在では「かなりマニアな人向け」と言わざるを得ないが、価格に関してはしばらくするとある程度こなれてくるだろうし、カメラユニットが増えれば趣味から実用まで幅広く使える可能性も秘めており、コンパクトデジタルカメラとして非常に高いパフォーマンスを持つことは確かな製品だ。