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2009冬 プリンター「買い替え」のツボ 第3回

最新プリンター 魅惑のハイエンド3機種、三つ巴の戦い!

2009年11月21日 19時00分更新

文● 池田圭一

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エプソン 「Colorio EP-902A」

外観:ADF標準搭載機、写真印刷だけじゃない!

 ADFを搭載することで、ミドルレンジのEP-802Aよりがらっと外観が変わったのがEP-902Aだ。サイズは幅466×奥行き385×高さ198mmと、横幅が2cm、高さが5cm近く大きくなっている。重量は1.5kg増えた約10.5kgだ。

 スキャナーユニット上部に、曲面を持つADFが取り付けられたことと、操作パネル部分のほぼ全面がタッチセンサーパネルになったことで、見た目の印象を大きく変えている。

ADF部分は、開閉すると給排紙トレイになるカーブの付いたカバーで覆われている

 その半面、カラープリンター部分は細部のスペックにいたるまで、下位モデルのEP-802Aと同等である。印刷解像度は最高5760dpi。インク数は、CMYの基本3色と染料の黒、さらにライトシアン、ライトマゼンタという6色構成だ。本体底面に格納される用紙トレイ(A4普通紙120枚)、本体前面のメモリーカードスロットの配置なども共通となっている。

 目に見えない部分では、スキャナーの読み取り解像度(主走査)が、2400dpiから4800dpiに引き上げられた。

側面から見るとADF機構の分だけ背が高い。前面の印象もずいぶんと変わった

 一方、本体の操作体系は大きく変わっている。液晶パネルが2.5型から3.5型になって視認性が向上したことに加え、EP-802Aで各種操作ボタンが配されていた部分が、液晶面も含めて7.8型のタッチパネルとなった。

 これにより操作に必要な部分だけがライトアップされるので、次にどこを触ればいいのかすぐに分かる。また、液晶メニューの配色やタッチパネル部分の照明をオレンジ色に統一したことで、見た目の印象が落ち着いている。

操作パネルのほぼ全面がタッチセンサーとなり、中央の3.5型液晶と併せて、次の操作が直感的に理解できる、判りやすいインターフェイスとなった


印刷・スキャン:画質は行くところまで行った

 写真印刷の品質に関して言えば、下位モデルのEP-802Aで、かなりの域に達しているのだろう。印刷部分のスペックが等しいだけに当然だが、EP-902AとEP-802Aの写真印刷出力は、まったく区別がつかない。

 また、各メーカー純正の最高品質の写真用紙を使って印刷した場合、同じく6色インクを使うキヤノンのMP990と比較しても、発色の鮮やかさや光沢といった写真としての見た目で、EP-902A+「写真用紙クリスピア」の組み合わせに軍配が上がる。

 さて、写真印刷の品質において行き着くところまで行ったエプソンは、今度はスキャナーの幅広いニーズに目を向けて、普通紙30枚の連続読み取りが可能なADFを搭載してきたわけだ。

 ただし、ADFの紙送り機構の関係上、セットできるのは普通紙程度の薄手のやわらかい紙に限られる。原稿サイズもA4判あるいはリーガルサイズのみ。実際のところ、この原稿サイズと紙質に限定されると、家庭内利用においてADFの使用頻度はそれほど高くないと思える。

 せめて、L判やハガキのサイズ/厚みでの連続読み取りが可能であれば、プリント写真や郵送物の管理にも使えるのだが……。その点は残念だ。

Colorio EP-902A

ADFにはA4普通紙原稿を30枚までセット可能。上部給紙→下部排紙となる

 現に、付属ユーティリティのスキャナードライバーにおいても、ホームモードではADF利用をサポートしておらず、ビジネス/プロフェッショナルモードに切り替えたときにだけ利用できるようになっていた。ADFで連続して読み取ったイメージデータには、自動的に連番が付けられ保存できるのだが、この部分の機能も少々そっけなく感じた。

ドライバーをオフィス/プロフェッショナルモードに切り替えるとADFが利用できる。読み取ったイメージの連続ファイル作成が可能だ

 ADFを使っての、連続したモノクロあるいはカラーコピーが可能な点はありがたいのだが、普及価格帯のEP-802Aと、ADFが付いたEP-902Aの直販における価格差は1万円。この価格差でADFが使えることになるのだが、同時に、少しだけ広い設置場所も必要になる。

 パーソナルユースといっても、どちらかといえば個人事業主や小規模な事業所など大量の書類を管理しなければならないユーザーへの導入が向いているのだろう。

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