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開発元に聞く、新ボーカロイドの狙いとこれから

2009年11月17日 12時00分更新

文● 四本淑三

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ボーカロイドロボでアピールしたかった点

――では続いて「VOCALOID 3」の未来についてお願いします。

剣持 先日のCEATECでデモを行ないまして、「気持ち悪い」とか「不気味だ」というコメントをいくつもいただいたことがあるのですが……(笑)。

――産総研(独立行政法人産業技術総合研究所)と共同開発されたロボットのことですね(関連記事)。読者の皆さんには我々のスタッフが撮影した映像を見ていただきましょう。

剣持 もちろん、このロボットそのものを売ろうというわけではありません。これを使ってアピールしたいことがいくつかあるわけです。

――なるほど、そのアピールする点とは?

ヤマハ サウンドテクノロジー開発センターグループマネージャー 剣持秀紀さん

剣持 まず「喋り」ですね。ボーカロイドは喋りが不得意で、朗読は苦手。でも世の中にはTTS(Text To Speech=テキスト読み上げソフトのこと)がたくさんありますから、我々はそれをやろうとは思っていません。餅は餅屋で、読み上げエンジンにはいいところがあるんです。

――ではボーカロイドの得意な部分は?

剣持 この動画とは別に大阪弁バージョンがあるんですが、「おおきに」のようなイントネーションを自由にコントロールできるんです。もともとボーカロイドは歌わせることを目的に開発したので、そういうポテンシャルも持っているんです。これはTTSでやろうとしても、そこはなかなかできない。

――VOCALOID 3ではそうした「韻律」のコントロールが自由にやれるということですよね。

剣持 「朗読と歌の中間」のような部分が狙えるようにしていきたいです。たとえば朝、子供が出かけるときの「いってきまーす」というのは、音声として見た場合、譜面には起こせないんですね。日常生活の中にそういう声は沢山あふれていると思うんです。それをユーザーがカーブを作っていじれば、できると。VOCALOID 3に機能として含めるかは分からないですが、将来的に狙って行きたい部分です。

 それと同時に「よりリアルに」という部分ですね。たとえば産総研さんのVocaListenerは、実際の人間の声に合わせて、VOCALOIDのパラメーターをチューニングしていく技術なんですが、かなり人間っぽいわけです。そこも研究開発を進めている部分で、夢は「ベタ打ちで表情豊かに歌える」ですね。

 将来的にロボット市場が立ち上がったとしたら、家庭の中にも何らかの形で入ってくるでしょう。形はロボットではなくて、家電の一部かもしれないけど。そこで歌えて、リアルで、感情のある喋りができるという、声のインタラクションを可能にしたい。何年先になるかは分からないけど、CEATECでのデモは「組み込みもやっていきます」という意思の表れです。

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