3軸加速度センサーを使ったデモでは、センサーの向きを変えることで画面の縦横位置を変えたり、画面上で動くボールをコントロールできる。マイクロソフトが紹介しているデモでは、カーレースゲームのコントローラーとして、センサーを傾けることで車を左右に操作する、といったものがある。
iPhoneやWiiなどにある、加速度センサーを使ったゲームと同じようなことが、Windows 7でも標準化されたAPIを用いて簡単に実現できるようになるわけだ。
センサーとロケーション機能によってどんなことができるのか?
光センサーをうまく使うと、特にモバイルノートの使い勝手は非常によくなるだろう。また、GPS機能と加速度センサーを内蔵していれば、ノートの位置を調べることもできる。この機能をうまく使えば、ノートパソコンの盗難防止にも役立つだろう。
ノートパソコンが盗まれても、データが流出しないようにする機能やソリューションは数多い。さらにWindows 7のロケーション機能を使えば、盗まれたノートパソコンの位置を特定して、短時間でノートパソコンを取り戻すことも容易になる。データの暗号化とロケーション機能を組み合わせれば、セキュリティー面では非常に安心できる。
エコロジーの面から見れば、デスクトップの液晶ディスプレーに人感センサーをつけることで、離席したら自動的にパソコンやディスプレーをスリープモードにするという機能が実現できる。1台のパソコンだけでは、電力消費面ではたいしたことはないが、これが100台、1000台となれば、大きな電力消費の削減につながるだろう。
先日、マイクロソフト社CEOのスティーブ・バルマー氏は、来日した際の記者会見で、Xbox 360で使われるモーション操作テクノロジーの「Project Natal」をWindows OSに拡張して、OSにナチュラルユーザーインタフェースを搭載していくと表明した。
例えば、今はウェブブラウザーの画面を下にスクロールするときには、マウスを使ったり、画面をタッチして操作する。しかし、Project Natalのテクノロジーを使えば、液晶モニターに内蔵されているCCDカメラに向かって、指を動かすだけで、スクロールさせられるようになる。
Windows 7でセンサーとロケーション機能が導入されたことで、これからはセンサーを使ったさまざまなアプリケーションやサービスが提供されることになるだろう。来年や再来年には、ノートパソコンは各種センサーを搭載するのが当たり前、という具合に変貌しているかもしれない。
この連載の記事
-
第50回
PC
次期IE「Internet Explorer 10」プレビュー版が公開 -
第49回
PC
RTM版も登場 Windows Home Server 2011の変更点とは -
第48回
PC
5秒で起動するSplashtop OSを自作パソコンで試す -
第47回
PC
ベンチで検証 Internet Explorer 9 RCの互換性と性能 -
第46回
PC
正式版の直前となるInternet Explorer 9 RC版が登場 -
第45回
PC
Silverlightをさらに進化させる「Silverlight 5」 -
第44回
PC
「Windows on ARM」が持つ意味と課題は何か? -
第43回
PC
GPUを利用できる仮想化ソフト XenClient 実践編 -
第42回
PC
複数のWindowsを使い分ける仮想化ソフト XenClient -
第41回
PC
3秒で起動しWindowsと共存するOS「Splashtop OS」 -
第40回
PC
最新版「PP7」に見るIE9の性能と互換性の高さ - この連載の一覧へ