※この記事は、「徹底解剖! 成功ネットショップの現場ノウハウ」の第23回です。過去の記事もご覧ください。
商品の魅力を伝えるカテゴリ分けが顧客獲得のカギ
検索エンジンなどにキーワードを入力してネットショップを訪れたユーザーは、自分の求める商品がないと判断すればすぐに別なお店に移動してしまいます。少しでもお店に興味を持ってもらうには、初めて訪れた人でもざっと見ただけでどんな商品があるのか把握できるようにしなければなりません。
そこで工夫したいのが「カテゴリの分け方」。商品カテゴリはトップページ、商品ページなどサイト内の全ページにナビゲーションとして共通で表示されるため、ユーザーが求める情報を的確に、分かりやすく伝えられるように整理されている必要があります。魅力的な商品カテゴリ作りこそ、売り上げ向上に結びつく重要なポイントなのです。
初めて訪れた人がどんなお店か瞬時に分かるように
『枕ぐっすりショップ! 本店』 『抱き枕.com』 など10サイトものネットショップを運営している「まくら株式会社」の河元智行さんは、各サイトに訪れるユーザー層の違いを見極めたうえで、最適な商品カテゴリを考えています。たとえば、『枕ぐっすりショップ! 本店』の商品カテゴリは、以下のようになっています。
[素材で枕を選ぶ] や [用途で枕を選ぶ] などを商品カテゴリの上部に設置しているのは、「本店では枕以外にもふとん等の寝具類も販売しているので、商品カテゴリで 『枕がメイン』 であることを明確に示さないと、『寝具店で、枕も販売しているお店』と誤解されてしまう危険がある」(河元さん)から。
「ですから、商品カテゴリの上部から [素材~] [用途~] を意識して並べ、『枕専門店だけど、寝具も一部揃うお店』と誰もがハッキリ分かるようにしています。また本店を訪れるお客様は、漠然と『なにかいい枕はないかな』と探すことが多いので、[素材別] では、[そばがら枕] [羽根枕]など、枕の素材に関して詳しくない方でも、パっと見ただけで容易にイメージできる分け方を心がけ、 [用途別] では、[腰枕][お昼寝枕]などを用意し、『枕ってこんなに種類があるんだ』と興味を持てる分け方を目指しました」
楽天市場に出店している『枕と眠りのおやすみショップ!』は、本店の商品カテゴリ分けに加え [枕ぴったりナビ] という分け方も用意。以下のような12カテゴリ・81種の分類の中から、ユーザーが好きな枕を選べるようになっています。
[寝姿勢別] [枕の高さ別] [形状別] など、かなり細かくカテゴリを分けているのは、楽天市場店だからこそ。楽天市場店で商品を探す人はもともと購買意欲が高く、よい商品が見つかれば即購入ボタンを押す確率は本店の独自ドメイン店よりも高い傾向があります。こうしたお客様を逃さぬよう、より具体的なカテゴリ分けによって枕を探す幅広い層にアピールしているのです。
■今回の成功ネットショップ:
『枕と眠りのおやすみショップ!』『抱き枕.com』
2002年「枕の総合情報サイト ぴろコレ」という個人サイトを立ち上げ。翌年6月『まくらぐっすりショップ』でネットショップ開業。その後、ヤフー店、楽天店を立ち上げ、2005年3月には『抱き枕.com』『低反発.com』を新たにオープン。 2008年度の前期の売り上げは1億7000万円に達している。