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週刊 PC&周辺機器レビュー 第30回

8時間駆動が7万円 HPのCULVノート dm1の実力は?

2009年11月06日 15時00分更新

文● 小西利明/ASCII.jp編集部

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パフォーマンスはさすがにネットブック以上

dm1のWindowsエクスペリエンスインデックス

dm1のWindowsエクスペリエンスインデックス。チップセットGPUの低性能ゆえに、ゲーム用グラフィックスが3.4という低めのスコアになっているが、CPUやグラフィックスはネットブックより1以上高い

 パフォーマンス面を見てみよう。まずWindowsエクスペリエンスインデックスの値は、最低値が3.4、CPUは3.7だった。Atom N280搭載のLaVie Light BL330が、最低値2.1、CPUは2.3だったのに比べると、やはり一回り以上速い。

 次に総合ベンチマークテストの「PCMark05」を使い、過去に計測したAtom N270搭載のネットブック「Eee PC 1002HA」や、旧モデルのdv2との性能を比較してみた。

PCMark05によるベンチマークテスト結果

PCMark05によるベンチマークテスト結果

 結果は上のグラフのとおり。Atom搭載のEeePCは大きく上回っているものの、dv2と比べると、総合値やCPU性能で負けるという結果となった。ちなみにdv2は、CPUにTurion Neo X2 L625(1.6GHz)、GPUはチップセット内蔵型ではなく、独立GPUのMobility Radeon HD 3410を搭載しているWindows Vista搭載ノートである。

 グラフィックス性能はさすがにチップセットGPUと独立GPUでは大きな差があるし、CPUもクロック周波数で30%以上速いTurion Neoが相手なのだから、この性能差は当然だろう。

 次に動画再生のパフォーマンスを検証してみた。テストプログラムを使うのではなく、Windows Media Player 12(WMP12)やInternet Explorer 8上で、HD品質の動画を再生してCPU負荷やフレームレートを目視で確認した。

 AVCHD形式の再生に対応したWMP12で、フルHD解像度の動画ファイル(ビットレート約17Mbps)を複数連続で再生したところ、CPU負荷は30弱~40%前後を推移し、コマ落ちもない再生を実現してみせた。たまにバックグラウンドのプログラムが動くとコマ落ちも発生するが、おおむね問題はない。

WMP12でフルHDのVCHDファイルを再生中

WMP12でフルHDのVCHDファイルを再生中。グラフの山谷は大きいが、おおむね30弱~40%程度の負荷といったところ

 YouTubeのHD動画再生では、CPU負荷は50%程度で、特にコマ落ちは見られない。ニコニコ動画で濃密な弾幕がある動画を再生させてみても、CPU負荷は50~60%弱程度でコマ落ちもなかった。


 さすがに最新のCore i7/i5搭載パソコンとは比べられないが、パフォーマンスはネットブックよりはるかに高く、安心して使える。旧モデルのdv2に性能面でやや劣るのは意外だったが、dv2の発売時の価格が7万9800円だったのに比べると、dm1は7万円前後と1万円ほど安い。

 そのうえバッテリー駆動時間は、dv2のカタログ値3.5時間、実動約2時間43分と比べると、実動で4時間弱と大幅に伸びている。それでいて、重さはdm1の方が1.5kgと200gほど軽いので、モバイルノートとしてはより使いやすくなっている。

 5万円前後のネットブックとの価格差は歴然としてあるし、Vistaと違ってWindows 7は、ネットブックでもそれなりに快適に動く。ネットブックの低性能に失望した人、本気で使えるサブマシンのモバイルノートを求めている人にはお勧めの製品だ。

HP Pavilion Notebook PC dm1の主な仕様
CPU Celeron SU2300 (1.20GHz)
メモリー 2GB
グラフィックス Intel GS45 Expressチップセット内蔵
ディスプレー 11.6型ワイド 1366×768ドット
ストレージ HDD 250GB
無線通信機能 IEEE 802.11b/g
サイズ 幅289×奥行き204×高さ19.8~30.6mm
質量 約1.5kg
バッテリー駆動時間 約8時間
OS Windows 7 Home Premium
予想実売価格 7万円前後(11月中旬発売予定)

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