「cosMoの曲でもある」部分をどう残すか
――cosMoさんの音楽的な生い立ちみたいなところから。
cosMo 小さい頃からピアノをやっていて、好きな曲を耳コピしてアレンジしながら、音楽って面白いな、みたいな感じで。コナミさんの音楽シミュレーションゲーム※が好きで。楽器を体感できるじゃないですか。それが中学くらい。作曲するんだったらこういうのが作りたいという妄想だけしていて。それから大学に入ってハード音源を買って、曲を少しづつ作り始めてみたという感じですね。それでmuzieに投稿したり。
※ pop'n music : コナミデジタルエンタテインメントの人気ゲームソフト
――どんな曲を聴いていました?
cosMo 自分は音楽をやっている割には音楽を聴いていなくて、ゲームの音楽くらいしか聴いていません。
――ヒゲさんのことはご存知でしたか?
cosMo muzieに投稿している時代に、ヒゲさんはすでに有名だったので、曲は知っていました。いつかオレもこんな風に、いろんな人に聴かれてみたいなと思っていました。
――ヒゲさんはcosMoさんをご存知でしたか?
ヒゲ 僕は知らなかったです。『初音ミクの消失』という曲は知ってたんですけど。すごく伸びてる曲があるなあと。
――初音ミクの曲はよく聴いていたんですか?
ヒゲ あんまり聴いていないです。ニコニコ動画は100万再生とかいってたら(画面に表示されるので)目に入ってくるじゃないですか。それで知っていた感じで、曲はあんまり知らなかったです。cosMoさんのことを聞いて、改めて聴いてみた感じです。
――聴いてみてどうでした?
ヒゲ ああ、こんなことをやるのかって。こんなカルチャーがニコニコ動画にはあったのかと。そういう意味では衝撃でしたね。
――ヒゲさんの曲をcosMoさんがアレンジ、あるいはその逆というように、お互いの曲をアレンジし合っているわけですが、その作業工程を教えてください。
ヒゲ 元のメロディを作って、渡して、アレンジしてもらって。書き下ろしについてはそうですね。カバーについては、聴いたものを好きなように。
――そう言うと簡単そうに聞こえますが、本当はすごく難しいことだと思うんです。
ヒゲ そうですね。言葉にすると簡単ですけど、結構大変でした。
cosMo ヒゲさんの曲はメロディがキャッチーで、歌詞もいい。それをどう生かせばいいか。ヒゲさんはチップチューンだから、誰が聴いても「あっ、ヒゲさんだ」って分るんですよ。そうなったときに「これはcosMoの曲でもあるよね」っていう部分をどうやって残すかが、すごい難しかったですね。
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