四本淑三の「ミュージック・ギークス！」 第6回

ミク作家と8bit職人が組んだ、コスモドライバーがデビュー！

チップチューンは簡単だったから

――まずヒゲドライバーさんの音楽的バックグラウンドを聞かせてください。

ヒゲドライバーさんのブログ「自称ミュージシャンの『今日も元気だ、酢だこがウマイ！』」。曲のリリースについてや日々の妄想などが赤裸々につづられている

ヒゲ　最初に好きになったアーティストは、ミスチルとかスピッツとか。小学生、中学生くらいの頃にCDを買っていましたね。それに影響されてギターをはじめて。中2の終わりくらいでした。

――ギターでバンド組んだり？

ヒゲ　いや、同じ頃に影響を受けたのがゆずなんですよ。だからフォークなんですけどね。友達と二人で道で歌っていたりしたんですけど。

――路上!?

ヒゲ　そうですね。恥ずかしい過去です。

――作曲はいつ頃から？

ヒゲ　ゆずのカバーをやっている頃から、オリジナルはやっていたんですよ。もうその辺から曲作りは始めていました。

――チップチューンに出会ったのはいつ頃だったんですか？

ヒゲ　大学に入ってからですね。これは仕方なくやっている部分もあって。

――えっ、仕方なく？

ヒゲ　本当はロックをやりたかったんで、バンドを組みたかったんです。でもメンバーが見つからなくて、もう面倒くさいから一人で何かできないかっていう。それでパソコンで作ることになるんですけど。パソコンで音楽を作るとき、色んな楽器が使えますけど、やっぱり難しいんですよね。でもピコピコってすごくシンプルで、簡単じゃないですか。そこから入ったっていう感じなんですよ、実は。

――チップチューンにすごい人がいて、誰かに影響を受けたということではなく？

ヒゲ　いや、全然ですね。

――パンクですよね、考え方が。そこからネット上に投稿するまでは？

ヒゲ　チップチューンを始めた頃にmuzieに上げていました。その1年後くらいにMySpaceにも登録したんです。その二つで、ちょっとづつ名前が知られるようになっていったということですね。

MySpace内のページ　http://www.myspace.com/higedriver

muzie内のページ　http://www.muzie.co.jp/artist/a035858/

――ニコニコ動画の『Hello Windows』は？

ヒゲ　あれは本当にふざけて。あの起動音は前から好きだったんです。ループさせたら曲になりそうだなと。丁度、ピコ萌え^※の仕事の最中だったんで、関係ない曲を作りたくなったこともあります。

※ ヒゲドライバーさんもアレンジで参加している『ピコ萌え!Future8bitシリーズ3 8bitで未来旅行』

――今までの話を伺って、チップチューンにしては聴きやすい理由が分ったのですが、歌詞はどうやって書いてるんですか。

ヒゲ　なんというか、妄想癖みたいなところがありまして。その辺はcosMo君も仲間だと思いますけど。『マイティボンジャック』で言うと、あれは実体験プラス妄想なんです。

cosMo　……合コンとか。

――合コンって……何ですか？

ヒゲ　合コンの歌なんですよ『マイティボンジャック』って。聴いてもらえば分ると思うんですけど。ネオン街があって、一人で寂しく家に帰っていくという。ただ、それだけだと寂しい話じゃないですか。それをカッコ良く仕立て上げたいなっていう。そこで妄想が登場するわけです。