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11月リリース予定の最新メールクライアント

Thunderbird 3は検索がすごい!添付忘れも防げる

2009年10月30日 06時00分更新

文● ASCII.jp編集部

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Thunderbird 3の検索機能

Thunderbird 3では、検索機能が一新された。グラフは日付と該当メールの件数を棒グラフで示したもの。キーワードを含むメールを頻繁にやりとりした日付がわかるので、目的のメールを探しやすい

 メールクライアントソフトは、Webブラウザーと並んで毎日使うアプリケーションだ。ただ、最近はWebメールを導入する企業も増えてきており、Webブラウザーほど開発競争が激しい分野、というわけでもないのが実情だ。特にGmailを使ってみると、なるほどGoogleと思わせる検索の早さに舌を巻く。

 Mozillaが2年半ぶりにメジャーバージョンアップして、11月にリリース予定の「Thunderbird 3」は、そんな素早い検索を実現するというメールクライアントソフトだ。

Windows版

Vista上で動作しているWindows版。Windows Searchでもメール検索が可能だ

Mac版の画面

Mac OS X上で動作しているMac版の画面。こちらもSpotlightで検索できる

 現行のThunderbird 2は、受信したメールをテキスト形式でローカルに保存し、検索を実行するたびにその内容を検索していた。また、件名(タイトル)、メッセージ本文、宛先などを個別に指定しなければならず、メールが増えるほど目的のメールを検索で見つけるのが難しかった。

 対して、Thunderbird 3ではデータベースエンジン「SQLite」とメール検索エンジン「Gloda」を搭載。受信したメールを自動的にインデックスに集約するため、高速な検索が可能になったという。Mozilla Japanのマーケティング部Webマーケティング担当の吉野公平氏が自身の環境(約7万7000通の受信メール)で検索したところ、5分17秒かかっていたところが10秒に短縮されたとのこと。

1クリックで登録

開いたメールからアドレス帳に登録するところ。Firefoxで開いているWebサイトをお気に入りに登録するように、1クリックで登録できる

タブ切り替え画面

メールアカウントや本文をタブ表示で切り替えられる。タブブラウザーと同じような操作感で、関連するメールをまとめて閲覧できる

 また、キーワード検索だけでなく、日付や宛先など複数条件での絞り込み検索が可能になったほか、日付を横軸、該当メールの件数を縦軸にしたグラフ表示も行なえ、頻繁にメールをやりとりした時期を思い出して該当メールを見つけ出す、といった使い方もできる。

 この検索機能は、Windows版であればWindows Vista/7の「Windows Search」、Mac OS X版では「Spotlight」というOS標準の検索機能とも連携する。文書ファイルを探すと同時に、関連するメールも見つけられるというわけだ。

メッセージサマリー

ビジネスシーンで特に便利な機能、その1 メッセージサマリー。複数のメールを選択すると、検索サイトのように要約が並ぶ。同じ相手から届いたメールでも、目的のメールを内容から見つけられる

添付ファイル忘れの警告

ビジネスシーンで特に便利な機能、その2 添付ファイル忘れの警告。本文に「添付」などの文字がある場合に、画面下のように警告が出る

 このほか、メッセージのタブ表示、1クリック操作でのアドレス帳登録、複数メッセージを選択したときの要約ビューなど、毎日使うアプリケーションだけに使い勝手を大幅に向上させている。

 ビジネスシーンで特に便利そうな新機能として、添付ファイルの付け忘れ防止機能が搭載された。メール本文に「添付」「attachment」などの単語が含まれている場合、メール編集画面に警告メッセージが表示される。

 Thunderbird 3は、10月29日現在「Beta 4」で、開発者向けに提供されている(評価用バージョンなので、使用は自己責任で)。正式版は11月にリリースされる予定だ。


メール以外のメッセージ・コミュニケーションは?
Mozilla RainDropを開発中!

 今回、Thunderbird 3の記者説明会のために初来日したMozilla Messaging担当CEOのDavid Ascher氏は、昨今のネットワーク・コミュニケーション環境がメール以外にも拡大していることを指摘。Mozillaとしては、メールクライアントの機能強化、使い勝手の向上を図るべく、Thunderbirdの開発を継続している。しかし、メッセンジャーやTwitter、ボイスチャットなど、最近急速に広まっているリアルタイムコミュニケーションを一元管理するためのプロジェクト「Raindrop」をMozilla Labsで進めていると明かした。

 現在は登録した開発者だけが利用可能なクローズドベータ状態。実際に試すことはできなかったが、Webブラウザーに専用クライアントと、サービスに応じて複数のアプリを使い分けなければ現状を変える、と意気込んでいる。詳細は関連サイト(英語)を参照いただきたい。


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