クラウドがリモコンになるカーナビ
ナビゲーション分野への取り組みを進めているヤフーは、この連載でも以前au向け「Yahoo!地図アプリ」をご紹介したときに、Bluetooth対応カーナビのリモコンとして活用できる機能をご紹介した(関連記事)。先頃リリースしたソフトバンクモバイル端末向けのYahoo!地図アプリでは、カーナビ各社のカー・インフォマティクスサービスと連携した、より深い使い方を実現してる。
トヨタ、マツダ、富士重工が採用しているG-BOOK、日産自動車のCARWINGS、パナソニック「ストラーダ」の最新機種には、通信モジュールを採用し、カーナビからインターネット上のコンテンツを活用したり、ドライブに関連する最新情報を取得したりする機能が採用されている。地図アプリは、これらのサービスと連携し、ケータイからカーナビに情報を送り込む仕組みを作っている。
まずアプリを使い始める際に、自分が使っているカー・インフォマティクスのサービスのIDをアプリに登録しておく。するとアプリ上で調べた目的地のスポット情報などをカーナビに送り込むことができるようになる。なによりポイントとなるのが1本のアプリで複数のカーナビに対応できる点だ。
この仕組みをどう実現しているのか。ヤフー株式会社R&D統括本部フロントエンド開発本部EveryWhere開発部、助光康弘氏にお話をうかがった。
「アプリと各ナビシステムとの間では、POIX(ポイックス)と呼ばれる位置情報を格納したXMLデータをメールで送っています。そのため汎用的な位置情報の通信が可能になっており、既存のナビシステム側のシステム開発なく、アプリをカーナビと連携させられるようになりました」(助光氏)
au版ではBluetoothで通信を行なっていた。一方ソフト版は通信モジュールがついているカーナビとなら連携できる点で利用シーンが広がってくるのではないだろうか。
時を同じくしてソフトバンクモバイルは、パケットし放題に月額210円を加えるだけで、これまで従量制だったカーナビを接続したデータ通信を定額にできる「カーナビプラン」を発表した(2010年1月以降開始)。カーナビをケータイで通信に載せた上で、Yahoo!地図アプリをリモコンとして活用する、ケータイとカーナビの連携を深める使い勝手に一役買いそうである。
ヤフー自身もドライブやグルメ・レジャースポットの情報を豊富に持っていて、ケータイをリモコンにすることで徒歩・自転車・クルマという多様な移動手段に対応する「ナビ」になっていくのではないだろうか。
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