最上位モデルでは欠かせない BDソフトの画質・音質を検証
最後は最上位モデルならではの画質・音質だ。ここではレコーダーの実力をしっかりと見極めるため、放送ではなくBDソフトを使って視聴を行なった。放送画質も確認しているが、各社モデルとも下位モデルとの差はわずかなものだった。
これは同じハイビジョン画質とはいえ、MPEG-2方式でしかも転送レートも24~17Mbps(実際にはこれより低い情報量の放送も多い!)の放送画質では、元々の情報量が少ないため、上級機に採用された高画質機能でも、大幅な高画質化にはつながらなかったと言える。これはつまり、放送のみを視聴し、BDに保存するだけなら、無理に最上位モデルを選ぶ必要はないということでもある。
ただし、音質は明らかに違うので、ホームシアター機器と組み合わせるなど、音にこだわる人はたとえ放送の録画・再生主体でも最上位モデルを検討したい。
いずれのモデルも、精細感が高く、色の鮮やかさ、階調のなめらかさなど、かなりハイレベルな映像だ。一見すると大きな差を感じないが、暗部の再現性に違いがあった。
パナソニックのDMR-BW970は黒になる寸前の暗部のディテールをもっともよく描き出した。ソニーのBDZ-EX200は黒に近い部分はディテールよりも色の差で再現する傾向。三菱のDVR-BZ330は精細感は高いのだが、コントラスト感が強めな映像のせいか、暗部は黒に引き込まれがちで、色の差はやや乏しい。
写真だとわかりにくいのだが、上の比較用の画像では雲の間からその下の街並みが見える。そこにある家のようすがもっとも見えやすいのがパナソニック。ソニーは赤っぽい家の屋根がよく見えるため、街や家の雰囲気がわかる。三菱は家や街があることはわかるのだが、全体に雲でかすんだり、陰でつぶれぎみでやや不鮮明だ。
音質は、細かい音まできちんと再現し、サラウンド空間に豊かな広がりまでしっかりと再現するBDZ-EX200、やや細身であっさりとした印象だが、元の情報量をストレートに再現する素直なDVR-BZ330とそれぞれがかなり高いレベルにある。強いて言えば、EX200の方が音楽を聴いたときのホールの柔らかな残響、弦の艶やかな音色など、味わいのような部分においては音作りのうまさを感じた。
それらをあらゆる面でわずかながら超えていると感じたのがDMR-BW970の「シアターモード」。ある音が出てくる瞬間の速さ、音の勢いが違うため、生き生きとした印象になる。「シアターモード」オフならば、パナソニックとソニーは好みの差こそあれ、同等と言えるのだが、「シアターモード」オンではパナソニックに軍配が上がる。
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