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メガネ型網膜操作ディスプレーとウェアラブル端末のセット

手作業が楽になる網膜マニュアル「Tele Scouter」 750万円から

2009年10月27日 06時00分更新

文● ASCII.jp編集部

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網膜走査式ディスプレーの装着例

網膜走査式ディスプレーの装着例

 ヘッドセットで本部からの指示を受けて、即対応――テレビの向こう側だけでなく、最近はイベント等で実際に見かけるようになった光景だ。携帯電話を持ちながらとは違って両手が空けられるのがメリットだが、NECが発表した「Tele Scouter(テレスカウター)」は、音声だけでなく映像も見られる点がまったく違う。

 これはブラザーが10月20日に発表した網膜走査式ディスプレー(RID)と、ウェアラブルコンピューター端末のセット(関連サイト)を、NECがシステム販売するもの。価格はRIDとウェアラブル端末が各30台、管理用サーバー1台込みで750万円から(SI費用含まず)。価格は決してリーズナブルとは言い難いが、代わりがないという点では相応の価値がある。

網膜走査のイメージ

中央のキューブが、実際の映像に重ね合わせて表示される網膜走査のイメージ(ブラザーのニュースリリースより)

NECによる使用事例のイメージ

NECによる使用事例のイメージ。部品交換などの作業も、網膜に映し出されるマニュアルを見ながら行なえる

 スペックとしては、1m先で16インチ相当のディスプレーサイズを実現。解像度はSVGA相当で、フレームレートは約60Hz。重量は約35gとなる。

 このシステムが活躍するシーンやメリットとしてNECでは、

  • トラブル時や専門知識を必要とする場面で、現場担当者と本部のエキスパート間で、リアルタイムに映像と音声を交えたコミュニケーションが可能
  • 関連資料やマニュアル、操作指示書を映像として送り、両者で共有しながら現場対応ができるため、熟練者のノウハウを生かした作業が行なえる
  • ディスプレーを見てもハンズフリーになるため、工場での組み立て作業やピッキング作業が可能となり、思い込みによる作業ミスを防止できる

NECによる活用事例。従来は音声による指示しか得られなかったが、映像を含むコミュニケーションで作業がはかどるという

などを挙げている。ブラザーは、電子ペーパー端末によって、紙のマニュアルより検索性が高く、かさや重量を減らす電子マニュアルの普及を目指している(関連記事)。このウェアラブル端末&表示装置は、手作業が主体の工場や倉庫などの現場では電子マニュアル以上にニーズがありそうだ。

 NECでは、今後3年間で1000システムの販売を目指すとしている。


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