2.パフォーマンスが違う
13インチモデルと17インチモデルとでは、パフォーマンスに差がある。CPUは同じ「Intel Core 2 Duo」だが、13インチモデルのクロック数は2.26/2.53GHz、17インチモデルは2.8GHz。2次キャッシュも、13インチの3MBに対し、17インチモデルは2倍の6MBだ。
GPUも異なる。13インチモデルに搭載されるGPUは「NVIDIA GeForce 9400M」が1基だが、17インチモデルは9600M GTと9400Mのデュアル構成。9400MはPCIバスによる接続だが、9600M GTは高速なPCI Expressを利用することもあり、描画パフォーマンスに差が生じる。
OpenCLなどGPUに依存する演算フレームワークが登場したこともあり、性能を重視するユーザにとっては悩み所かもしれない。パフォーマンスの検証については、次回以降の課題とさせていただこう。
3.利用できるストレージが違う
13インチモデルにあって17インチモデルにないものが、「SDカードスロット」。デジタルカメラやHDビデオカメラなど、記憶媒体としてSDカードを採用するデジタル家電の多さを考えると、カードリーダを持ち運ぶ必要がなくなったことは歓迎だ。アダプタを使えば、携帯電話などで採用が進むmini SDカードも利用できる。
反対に17インチモデルにあって13インチモデルにないものは、「ExpressCard/34スロット」。SATAカードを装着すれば、USB 2.0で接続した外付けHDDの約3倍(3Gb/秒のSATA IIカードの場合)という速度で、ファイルを読み書きできるようになる。イー・モバイルの通信カード「D24HW」を使えば、すっきりとしたレイアウトでのモバイル通信も可能になる。
だけど、ココが同じ
いろいろ異なる13インチモデルと17インチモデルだが、「ユニボディ」は共通だ。アルミフレームはもちろん、ノッチの形状、MagSafeアダプタなど端子周りの削り出し処理、キーボードとマルチタッチトラックパッド、そしてキーボードバックライト……MacBook Proシリーズとしての意匠は共通している。
CPU/GPUのパフォーマンス差はあるが、システムバスは変わらず1066MHz、最大8GBという物理メモリー容量も同じ。光学ドライブも8倍速スーパードライブで違いがない。
広大なデスクトップと機動性のどちらを取るか。24万8800円(17インチ)と11万800円(13インチ/2.26GHzモデル)の価格差に注目するか、CPU/GPUのパフォーマンス差を重視するか。結局のところ、ノートパソコンに何を期待するか次第だが、機種選定で迷うことがオーナー最大の楽しみだったりもする。
※次回は11月3日(火)掲載予定です
筆者紹介──海上忍
ITジャーナリスト・コラムニスト。アップル製品のほか、UNIX系OSやオープンソースソフトウェアを得意分野とする。現役のNEXTSTEP 3.3Jユーザにして大のデジタルガジェット好き。近著には「改訂版 Mac OS X ターミナルコマンド ポケットリファレンス」(技術評論社刊、Amazon.co.jpで見る)など。
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