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T教授の「戦略的衝動買い」 第72回

衝動買いで分かった「ウォークマンS」の高音質

2009年10月22日 16時00分更新

文● T教授

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付属のヘッドホンとの組み合わせが秀逸

 新ウォークマンのNW-S744は、iPod nanoと同価格帯の廉価版商品ではあるが、専用ノイズキャンセリングヘッドホンが付属している。まずこの組み合わせが秀逸だ。

 現在、筆者が愛用するリファレンスコンビネーションは、バング&オルフセンの音楽プレーヤー「Beo Sound2」+シュアのヘッドホン「E500PTH」か、ケンウッド「HD60GD9」+同じくシュアの「E500PTH」という2パターンだ。

筆者のリファレンス御三家。左からBeoSound2、HD60GD9、新ウォークマン。重さは順に92g、137g、51gと新ウォークマンが最軽量。ごく普通の卵一個分だ

 新ウォークマンは、時代の差こそあるとはいえ、ヘッドホン込みの価格がこれらのリファレンスの8分の1ぐらいに相当する。しかし、そのサウンドは肉薄するモノがある。

 ハイエンドヘッドホンに分類されるE500PTHは、打楽器やピアノ、弦楽器などの弾ける音を、極めてソリッドでシャープなイメージで再生してくれる。そのため、音楽ソースによってはインパクトがあり過ぎることもある。一方、標準添付品ではあるが新ウォークマンのヘッドホンは、パワー感と全体のハーモニーがバランスされていて素晴らしい。

ウォークマン NW-S744

ヘッドホンでは、右側のケーブルが長いというソニースタイルは健在。左右の区別が暗闇でも可能で、取り扱いも極めて便利だ

独特の貝の様な形状をしたノイズキャンセリングヘッドホン。右左の表示も明確だ

ウォークマン NW-S744

新ウォークマンは音楽ジャンルを問わずオールマイティな対応力を見せる。スピード感のある強いアタック音にも機敏な反応を示し、ロックミュージックは聴いていて緊張感と爽快感を同時に味わえる


iTunesからの転送も楽に

 新ウォークマンのもう一つの素晴らしい点は、今回の製品からiTunesの曲をドラッグ&ドロップで転送できるようになったところだ。

 iPodユーザなら、すでにHDD上にiTunesの音楽ライブラリを持っているはず。新ウォークマンをUSBケーブルでパソコンにつなぐとストレージとして見えるので、あとはその中の「MUSICホルダー」にiTunesのライブラリをドラッグ&ドロップするだけで転送できてしまう。

ウォークマン NW-S744

操作のデモ動画はiPodを思い浮かべるようなイメージでちょっとがっかりだ

ウォークマン NW-S744

iPod用のiTunesホルダーをまるままドラッグ&ドロップで新ウォークマンへの移行は10分で完了。ただし、iTunes Storeで購入したDRM付きの楽曲は転送されない

 アップルは安価だが音質はそこそこのiPodを売りまくり、iTunesを「デジタルオーディオの世界標準ソフト」という地位に押し上げた。音楽管理ソフトである「SonicStage」をいったん引っ込めた格好になったソニーは、今後はこのiTunesの軒先を借りて、再び母屋を狙うか、永遠に軒先商売をさせられるのか──。両者のせめぎ合いが楽しみだ。

 ただ言えることは、もし音楽再生の質にこだわるなら「新ウォークマン」は、「絶対買い」の商品ということ。今、DAPの世界において、iTunesとウォークマンの組み合わせが最高に面白い

ウォークマン NW-S744

新ウォークマンならポップなカラーモデルもいいが、ブラックモデルなら年齢も選ばず。その他のモノともコーディネートしやすい


今回の衝動買い

アイテム:ウォークマンS NW-S744(ブラックモデル)
価格:1万5800円(新橋駅前、ヤマダ電機にて購入)


T教授

T教授

 日本IBMから某国立大芸術学部教授になるも、1年で迷走開始。今はプロのマルチ・パートタイマーで、衝動買いの達人。

 

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