MMDでメシを食えるようにならないか
―― MMDという「文化」全体として、将来の展望などはありますか。
かんな そうか、もう文化かー。
ポンポコ MMDでメシを食えるようにならないかな、と思っているんですよね。ビジネスというよりは、好きなことをやって楽しく生きていければいいなって。PCを使って小説を書く人がいたり、絵を描く人がいますけど、それと同じように、MMDで作品を作る人がいることが当たり前のようになってくると楽しいんじゃないかと思ってます。
樋口 ボーカロイドでは音楽を作る人はiTunes Storeに曲を上げたり、CDを発売したりしてますよね。MMDで作品を作ることもすごい大変なので、作品を作った人に何らかの形で還元が出来ればとは思いますね。
ポンポコ 全体として「動画にお金を払う」ということ自体が難しいことではあると思うんですけどね。今はとりあえずMMDを知ってもらうこと、楽しさに気づいてもらうことが重要だとは思うので、何か宣伝活動が出来ればな、というところです。
―― 同人で映像を作って売ることも一つの手ですよね。
かんな 実際にこの夏はMMDのPVを同人(DVD)で作っている方が居ました。ただ若干ネックなのは権利問題ですよね。たとえばあにまささんと樋口さんとは、こうやってお話させてもらってますけど、それが出来ない方もいます。クリプトン社をはじめ、各権利者との兼ね合いもあって、なかなかキャラクターの肖像権などがクリアになりづらいですよね。そうするとオリジナルモデル、楽曲を使って、という流れも出てくるのかもしれません。
―― 樋口さんとあにまささんは、権利に関してはどう考えられているんですか。
樋口 僕は他の方の権利さえクリアしてもらえばもう自由にやってくださいという立場でやっているんですけどね。
あにまさ 僕も権利に関しては、ほとんど放棄じゃないですけど。自由にやってほしいですね。もともとそれが目的ですし。
―― あにまささんはMMDの将来の展望などはありますか。
あにまさ 僕の望みはほとんど叶っているんですよ。これまでは3DCGを難しく考える人が多くて、一部の出来る人だけがやっていましたけど、もっと3DCGが動いて欲しかったんですね。でも自分ではできなくてという状況で。そういった意味でMMDが出来てからは僕の願いは全部叶っているので、要望はないですね。
―― 最後に樋口さん。生みの親として、今後の展望をお願いします。
樋口 わたしも想定していた以上に、みなさんに使って貰ってこんなに嬉しい事はなくて、それだけでいっぱいいっぱいっていうか嬉しいというか。なので、今後どうなってほしいなんて考えたことはないんですけど、3DCGそのものに携わってくれる人口が増えてくれると嬉しいかなと思います。
MMDをやって、そこからMMDに限らずBlenderや他のツールに行ってもらっても構わないですから。とにかく3DCG自体が面白いものだっていうことが広まってくれれば、嬉しいと思っています。
著者紹介――ノトフ
老舗ニュースサイト「かーずSP」かーず氏の弟子としてライター活動を始める。ブログは「はつゆきエンタテインメント」。
自主制作番組「はつゆきラジオ」や、ニコニコ生放送などで主に活動中。最近は女装をして、ネットで顔出しをすることで一部の人に面白がられている。