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脳波センサーやデータグローブがWindows 7で実現! (1/2)

2009年10月21日 17時51分更新

文●中野克平/Web Professional編集部

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 Windows 7で楽しみなのは、「ジャンプリスト」や「Aeroピーク」などの新UI。しかし、もっと楽しみなのが「センサー&ロケーション」の機能だ。iPhoneや一部のゲーム機ですっかり定着した加速度センサーやGPSを利用したアプリケーションなどに、初めて本格対応するパソコン用OSになる。

 もともとパソコンはセンサーだらけだ。キーボードにはたいてい109個以上のスイッチが付いていてキーの押下を検出できるし、マウスにはXY軸の移動距離を検出するセンサーが、パソコン内部には温度やファンの回転数を検出するためのセンサーがいくつも付いている。しかし、キーボードやマウスにはOS標準のAPIがあるのに、マザーボードの温度センサーなど、OS非標準のセンサーを扱うにはデバイスドライバーからのデータを読み取る専用プログラムが必要だ。これまでのパソコンOSには、センサーからの情報を統一的に扱うためのAPIがなかった。

 Windows 7は違う。センサーAPIと、GPSセンサーからの情報に特化したロケーションAPIという統一されたAPI仕様により、以下のようなセンサーからの情報をアプリケーションで簡単に扱えるようになる。


■センサーの種類と用途

センサーの種類 検出できる情報
GPS 位置、方位
加速度計 動作、方位、位置
近接 存在、空間認識
部屋の照明や屋内の日光など、環境光の状態
RFID 物理項目の ID、自動ログオン、物の位置
コンパス 方位
カメラ 録画、物体識別、顔認識
マイク 周囲の音
温度 屋内/屋外の環境温度、調理温度
湿度 水漏れの検出、芝生用スプリンクラーの操作
動作検出器 セキュリティ システム、コンピュータ付近の動作の検出
交通 移動時間の予測
気象計 気象条件、天気予報

出典:センサー デバイスの概要(http://msdn.microsoft.com/ja-jp/windows/dd647532.aspx


脳波センサーやデータグローブも扱えるWindows Sensor API

 センサーAPIを使うとどんなことができるのだろうか。マイクロソフトの太田寛氏(デベロッパー&プラットフォーム統括本部UXテクノロジー推進部エンベッドデベロッパーエバンジェリスト)に尋ねたとき、机に置かれたのが、脳波センサーだ。

ニューロスカイ社の脳波センサー「MindSet」

ニューロスカイ社の脳波センサー「MindSet」


 脳波センサーは、ASCII.jpでも紹介したことがあるが、MindSetはヘッドホン型なのが特徴で、環境音楽を流しながら、実際に脳がリラックスするかをセンサーで検出する、などの使い方がある。日本のネットカルチャー的には、動画を見たときの脳波をユーザーがアップロードしてコメントを付け合う「ニコニコ脳波」なんてどうだろうか。クラウド・コンピューティングのWindows Azure的に考えれば、世界中で今一番リラックスしているのはどの国? 逆にいらついているは?――など、何に使うのかはわからないが、何かに使えそうなアイデアが出てくる。

MindSet標準の「脳波ビジュアライザー」


 次に登場したのが試作型のデータグローブ。フリースケール社製の評価ボード(JMBADGE2008-B)に、十指分の加速度センサーを取り付け、手の移動と指の動きを検出できる。

データグローブ

フリースケール社のJMBADGE2008-Bを改造して作ったデータグローブ

太田氏による実演は、揉む仕草がちょっとナニである


 データグローブといえば、映画『マイノリティ・レポート』でトム・クルーズがコンピュータを操作するシーンが有名だが、いよいよWindowsでも映画の世界を実現できるようになったわけだ。太田氏はデータグローブでピアノを演奏するデモを披露してくれたが、新技術は軍事かエロで活かすもの。何かを撫でたり揉んだり、摩ったりするゲームの方がいいかもしれない。

データグローブデモ

データグローブを空中で操作することで、Silverlightのピアノを演奏できる

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