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Windows 7が快適に動くPCを自作しよう 第3回

Windows 7を入れるなら静音、低電力な小型PCにしたい

2009年10月16日 12時00分更新

文● 石井 英男

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低消費電力MicroATXマシンのオススメ構成はコレだ!(Intel編)

 それでは上記の解説を踏まえて、インテルプラットフォームとAMDプラットフォームそれぞれについて、具体的に低消費電力MicroATXマシンのオススメ構成を挙げていこう。まずは、インテルプラットフォームからだ。

CPU:インテル「Core 2 Quad Q9400S」 実売価格:2万5000円前後

 低消費電力かつ性能を重視するなら、前述したようにプロセッサー・ナンバーの末尾に「S」が付く低消費電力版の「Core 2 Quad」シリーズがオススメだ。単に消費電力だけならAtomプロセッサーのほうがずっと低いが、Atomは性能も低いため動かせるアプリケーションが限られてしまい、サーバー用途には適さない。現在、入手しやすい低消費電力版Core 2 Quadシリーズとしては、「Core 2 Quad Q9550S」「同 Q9400S」「同 Q8400S」があるが、価格と性能のバランスを考慮するとCore 2 Quad Q9400Sがオススメだ。

末尾にSが付かない通常版のCore 2 Quad Q9400のTDPは95Wだが、Core 2 Quad Q9400SのTDPは65Wに削減されている

マザーボード:GIGABYTE「GA-EG45M-UD2H」 実売価格:1万3000円前後

 ゲーム以外の一般的なアプリケーションを動かすのなら、グラフィックス統合型チップセットの描画性能でも特に問題ない。グラフィックス統合型チップセット搭載マザーボードを利用すれば、ビデオカードが不要になるので消費電力や小型化の点でも有利だ。Core 2 QuadシリーズのLGA775プラットフォームに対応したグラフィックス統合型チップセットとしては、「Intel G45 Express」「同 G43 Express」「同 G41 Express」などがある。G43やG41でもサーバー用途に使うのなら問題はないが、製品の選択肢が多いのは上位のG45である。ここでは、そのG45を搭載したGIGABYTEの「GA-EG45M-UD2H」をチョイスした。

GIGABYTE製マザー「GA-EG45M-UD2H」。グラフィックス機能を内蔵したIntel G45 Expressを搭載したMicroATXマザーボードだ。もちろんビデオカードは不要

メモリー:Corsair「TWIN2X4096-6400C5DHX」 PC2-6400 2GB×2 実売価格:1万1000円前後

 サーバー用途として使うことも視野に入れるのなら、メモリーは信頼性の高いものを選びたい。ノーブランド品に比べれば高価だが、信頼のおけるメーカー品でも、2GB×2の4GBで1万円前後で購入できる。ここでは大型ヒートシンクを搭載し、信頼性の高いCorsair製の「TWIN2X4096-6400C5DHX」を選んだ。

TWIN2X4096-6400C5DHX。2GBのメモリが2枚セットになった製品だ

HDD:Western Digital「WD10EADS」 実売価格:7300円前後

 低消費電力で低騒音を実現するには、HDDにもこだわりたい。消費電力や発熱の低さを重視するなら、一般的な7200rpm HDDではなく5400rpm HDDを選ぶのがよい。例えば、Western Digitalの「WD Caviar Green」シリーズは、5400rpmの低消費電力HDDであり騒音も小さい。ここでは1TBの「WD10EADS」をチョイスしたが、ファイルサーバーとして使うのなら1.5TBや2TBのモデルも用意されているので、これらを選ぶの手だ。また24時間稼働させるつもりなら、Seagateの「Barracuda ES.2」シリーズのようなニアライン向けHDDを選ぶのもオススメだ。ニアライン向けHDDは、通常のHDDよりも信頼性が高く24時間365日の連続稼働が保証されている。

光学ドライブ:LG電子「GH22NS50B-B」 実売価格:2800円前後

 光学ドライブには、それほどこだわる必要はない。サーバーとして使うのなら、OSインストール時のみ光学ドライブを接続して普段は光学ドライブを外しておくといった運用でもよい。

OS:Windows 7 Ultimate DSP版(32bit) 実売価格:2万5000円前後

 OSはBitLocker暗号化機能により、セキュリティを高めることができる最上位の「Windows 7 Ultimate」を選びたい。DSP版はパッケージ版に比べて価格が安いのでオススメだが、一緒にPCパーツを購入する必要があり、そのパーツをシステムに組み込まねばならない。

OSは暗号化機能によりセキュリティを高められる「Windows 7 Ultimate」を選びたい

ケースと電源ユニット

 せっかくMicroATXマザーボードを選んだのだから、ケースもコンパクトなものを選びたい。タワーケースに比べると拡張性は低いが、MicroATX用スリムケースは横幅が小さく、縦置きすれば場所をとらない。スリムケースには、一般的なATX電源ユニットは入らないため、ケースに電源ユニットが付属している製品が多い。今回の構成なら電源容量は300Wもあれば十分だ。例えば、Aopenの「DM-379 BLACK」やANTECの「MINUET350」などがオススメだ。
 上記の構成で、ケースと電源ユニットを除いたパーツ価格の合計は8万4100円前後となる。ケースと電源ユニットを合わせても、10万円あればお釣りがくる。

AopenのMicroATX対応スリムケース「DM-379 BLACK」。300W電源ユニットを搭載する

ANTECのMicroATXケース「MINUET 350」。350Wの電源ユニットを搭載する

(次ページへ続く)

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