最高のゲームPCをWindows 7で作りたい!

文●石井 英男

2009年10月14日 12時00分

 「Windows Vista」の後継となる最新OS「Windows 7」の発売がいよいよ目前に迫ってきた。Windows 7の新機能や改良点については、ASCII.jpでも何度か特集として紹介しているので(関連記事1関連記事2)、そちらを参考にしていただきたいが、Windows 7は、Windows Vistaをベースに入念なブラッシュアップと機能強化が行なわれたOSであり、より便利で快適なOSに進化している。また、9月には、開発コードネーム「Lynnfield」ことIntelの最新CPU「Core i7/i5」が登場、AMDの「Phenom II」も価格がこなれてくるなど、Windows 7のためにPCを1台組むには、まさに絶好のタイミングだ。
 Windows Vista搭載PCを使っていて、レスポンスに不満がある人はもちろん、まだWindows XPを使い続けているという人も、この機会にWindows 7搭載PCを自作してみるのはいかがだろうか。そこで本特集では、Windows 7の発売を機に新たにPCを組んでみようという人をターゲットに、用途別の最適なパーツの選び方や、オススメパーツ構成を紹介していきたい。

最新3Dゲームをプレイするのに必要なスペックは?

 第1回目のテーマは、ヘビーゲーマーのためのPC(ゲーミングPC)だ。ゲームを主な用途とするゲーミングPCには、最新3Dゲームを高解像度で快適にプレイできるだけのパフォーマンスが求められる。3Dゲームは、オフィスアプリケーションなどに比べて、CPUやGPUに対する負荷が高い。また、最新のDirectXに対応していることも重要だ。ゲーミングPCは、個人向けPCの中でもハイスペックなPCであり、ゲーム以外の用途も快適にこなせる。その分、価格は高くなってしまうが、パフォーマンスが高いので長い間現役として使える。
 まず、CPUについてだが、以前はゲームソフトの多くがマルチスレッド化されておらず、シングルスレッド性能によって、パフォーマンスが左右されるため、コア数よりも動作クロックを重視(例えば、クロックの低いクアッドコアよりも、クロックの高いデュアルコアを選ぶ)すべきだといわれていた。しかし、最近はゲームソフトのマルチスレッド対応も進んでおり、CPUも、IntelのCore i7のようにクアッドコア(実際はHyper-Threadingテクノロジーにより8コア相当)が主流となっているので、基本的にはCore i7やPhenom II X4などのクアッドコアを選んでおけばよいだろう。

 Intelの場合、プラットフォーム(CPUソケット)が、LGA1366のCore i7-9xx、LGA1156のCore i7-8xx/Core i5、LGA775のCore 2シリーズの3種類ある。このうち最もハイエンドなのはLGA1366だが、今後のメインストリームになるのはLGA1156であり、コストパフォーマンスや将来のアップグレードを考えると、LGA1156のCore i7-8xxがオススメだ。Core i7-8xxはクアッドコアだが、Hyper-Threadingテクノロジーにより、OSからは8コアとして認識される。また、消費電力や温度に余裕がある場合、自動的に動作クロックを向上させるTurbo Boostも搭載しており、非常に高い性能を実現する。

 AMDの場合は、プラットフォームはSocket AM3とSocket AM2+の2種類があるが、こちらも今後の主流はSocket AM3なので、Socket AM3のPhenom II X4の上位製品を選んでおけばよいだろう。
 マザーボードは、PCI Express x16スロットを複数備えた製品を選ぼう。将来、ビデオカードの性能が不足するようになったら、ビデオカードを複数枚装着して、マルチGPU構成にできるからだ。また、チップセット内蔵グラフィックス機能では、最新3Dゲームをプレイするには力不足なので、内蔵グラフィックス機能は不要だ。

 ビデオカードについては、DirectX 10に対応したハイエンドGPUを搭載したものを選べばよい。NVIDIAの製品なら、GeForce GTX 295/285/275あたり、AMDの製品なら、最新のRadeon HD 5870/5850がオススメだ。これらのGPUを搭載したビデオカードなら、年末や来年登場するゲームソフトも、高解像度でサクサクと遊べるはずだ。

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ゲーミングPCのオススメ構成はコレだ!(Intel編)

 それでは、上記の解説を踏まえて、IntelプラットフォームとAMDプラットフォームそれぞれについて、具体的にゲーミングPCのオススメ構成を挙げていこう。まずは、Intelプラットフォームからだ。

CPU:インテル「Core i7-860」 実売価格:2万9000円前後

 予算に余裕があれば、Core i7-870という選択肢もあるが、Core i7-860とCore i7-870では、定格クロック、Turbo Boost時の最高クロックともに0.13GHzしか違わないのに対し、実売価格は2倍程度の差がある。そのため、コストパフォーマンス的には、Core i7-860のほうが優れているといえる。今後、1、2年以内に登場するゲームをプレーする際に、Core i7-860ではCPU性能が足りなくなるという事態が起こることは考えにくい。

マザーボード:GIGABYTE「GA-P55-UD5」 実売価格:2万7000円前後

 Lynnfieldこと新Core i7は、LGA1156プラットフォームのCPUであり、現時点でLGA1156をサポートしているチップセットは、Intel P55 Expressしかない。Intel P55 Express搭載マザーボードもさまざまな製品が発売されているが、ゲーミングPCを作るのなら、将来ビデオカードを複数枚装着し、NVIDIA SLIやATI CrossFireXを構築することを視野に入れて、PCI Express x16スロットを3基備えたハイエンド製品を選びたい。ここでは、GIGABYTEの「GA-P55-UD5」をチョイスしたが、もちろん、ほぼ同じ仕様のマザーボードは他社からも発売されているので、そちらを選んでもよい。

メモリ:PC3-10600 2GB×2 実売価格:1万円前後

 Core i7-860は、デュアルチャネルメモリインターフェースをサポートしているので、パフォーマンスをフルに発揮するには、同容量のメモリを2枚差しする必要がある。ゲーミングPCの場合、OSを64bit環境にするメリットはほとんどないので、32bit版のWindows 7を利用し、メモリは2GB×2で4GB実装すればよいだろう。32bit版のWindows 7では、4GBのメモリを全て利用することはできず多少無駄になってしまうが、3GB超は利用できるので、あまり気にしなくてよい。また、メモリは、PCの安定性を左右する重要なパーツなので、できるだけノーブランド品を選ぶのではなく、大手メーカー製モジュールを選びたい。

ビデオカード:ELSA「GLADIAC GTX 295 V2」 実売価格:6万円前後

 ゲーミングPCで最もこだわりたいのが、ビデオカードだ。ビデオカードはケチらずに、最高峰のものを選んでおいたほうが、長く現役として使えるので、結局は得になることが多い。そこで、NVIDIAのデュアルGPU構成のハイエンドGPU「GeForce GTX 295」搭載ビデオカードをチョイス。GeForce GTX 295搭載ビデオカードは、最初に登場した基板を2枚利用しているものと、2009年7月以降に登場したシングル基板構成のものがあるが、シングル基板構成のもののほうが、冷却機構が改良されているのでオススメだ。ここでは、エルザジャパンの「ELSA GLADIAC GTX 295 V2」を選んだ。

HDD:Seagate「Barracuda 7200.12」 (ST31000528AS) 実売価格:8000円前後

 HDDの容量は1TBあればとりあえず十分だろう。バイト単価の面でも1TBクラスがお買い得だ。回転数は7200rpmのものを選べばよい。ここでは、SeagateのST31000528ASを選んだ。

光学ドライブ:LITEON「iHAS324-32」 実売価格:4000円前後

 光学ドライブには、それほどこだわる必要はない。一般的なDVDスーパーマルチドライブでOKだ。

OS:Windows 7 Ultimate DSP版(32bit) 実売価格:2万5000円前後

 PCを自作するなら、OSは通常パッケージ版よりも価格が安いDSP版がオススメだ(ただし、PCパーツと一緒に購入し、そのパーツをシステムに組み込む必要がある)。Windows 7 DSP版のエディションは、上位からUltimate、Professional、Home Premiumの3つがあるが、Windows XPでしか動作しない古いゲームを楽しみたいのなら、XPモードをサポートしたUltimateかProfessionalがオススメだ。UltimateとProfessionalの価格差は6000円前後なので、ハイエンド構成のゲーミングPCを組むのであれば、最上位のUltimateを選ぶのがよいだろう。

ケースと電源ユニット

 PCを組むには、ケースと電源ユニットも必要になるが、ケースについてはデザインやサイズなど、個人による好みが大きいので、ここでは特に推奨ケースを挙げることはしない。電源ユニットについては、GeForce GTX 295は、PCI Express 8ピンとPCI Express 6ピンの両方を必要とするので、それらをサポートした600Wクラスの製品を選ぼう。
 なお、上記の構成で、ケースと電源ユニットを除いたパーツ価格の合計は、16万3000円前後となる。ケースと電源ユニットを合わせても、20万円でお釣りがくる計算だ。ハイエンドゲーミングPCとしては、十分リーズナブルな価格といえるだろう。

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ゲーミングPCのオススメ構成はコレだ!(AMD編)

 今度は、AMDプラットフォームでのオススメ構成を紹介しよう。

CPU:AMD「Phenom II X4 965 Black Edition」 実売価格:2万5000円前後

 Phenom II X4 965 Black Edition(以下、Phenom II X4 965 BE)は、現時点でのAMDのPhenom II X4シリーズの最高峰となるCPUだが、その割に価格が安いことが魅力だ。一つ下のPhenom II X4 955 Black Editionの実売価格は2万円前後とさらに安い。ゲーミングPCをできるだけ安く作りたい場合は、AMDプラットフォームが有利だ。

マザーボード:ASUSTeK「M4A79T Deluxe」 実売価格:2万1000円前後

 Phenom II X4 965BEは、Socket AM3対応のCPUである。Socket AM3対応CPUは、Socket AM3対応マザーボードとSocket AM2+対応マザーボードでの利用が可能だが、DDR3メモリの価格もこなれてきた現在、Socket AM2+対応マザーボードをわざわざ選ぶメリットは少ない。ゲーミングPCということで、将来ビデオカードを複数枚装着して、ATI CrossFireXを構築することも視野に入れて、PCI Express x16スロットを複数備えたAMD 790FX搭載マザーボードを選びたい。そこでここでは、ASUSTeKの「M4A79T Deluxe」をチョイス。PCI Express x16スロットを4基搭載したハイエンドマザーボードであり、拡張性は抜群だ。

メモリ:PC3-10600 2GB×2 実売価格:1万円前後

 Phenom II X4 965 BEは、デュアルチャネルメモリインターフェースをサポートしているので、パフォーマンスをフルに発揮するには、同容量のメモリを2枚差しする必要がある。Intel編と同じく、OSには32bit版を利用することにし、メモリは2GB×2で合計4GB実装すればよいだろう。

ビデオカード:SAPPHIRE「SAPPHIRE HD 5870 1G GDDR5 PCIE DUAL DVI-I/HDMI/DP」 実売価格:5万円前後

 ビデオカードには、AMDの最新GPU「Radeon HD 5870」を搭載した製品をチョイスした。Radeon HD 5870は、世界で初めてDirectX 11に対応したGPUであり、DirectX 10環境でのパフォーマンスもシングルGPUとしてはトップクラスである。現時点ではまだ、DirectX 11対応ゲームはリリースされていないが、NVIDIAからも年内にDirectX 11対応GPUが登場予定であり、今後、DirectX 11の新機能を活かしたゲームが登場することは間違いない。将来性についても、Radeon HD 5870を選んでおけば安心だ。

その他必要なもの

 HDDと光学ドライブ、OS、ケース、電源ユニットの選び方については、基本的にIntel編と同じなので、そちらを参照して欲しい。ただし、デュアルGPU構成のGeForce GTX 295よりも、シングルGPUのRadeon HD 5870のほうが消費電力が低く、電源コネクタもPCI Express 6ピン×2となっているので、500Wクラスの電源ユニットでも大丈夫だ。
 ちなみに、上記の構成で、ケースと電源ユニットを除いたパーツ価格の合計は、14万3000円前後となる。Intelプラットフォームで作るよりも、さらに安く済むので、予算にあまり余裕がないが、最新ゲームを快適に遊べるPCを作りたいという人にオススメだ。

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ASCII.jpオススメ「ゲーミングPC」の
ゲームパフォーマンスは?

 ここでは、Windows 7時代のゲーミングPCのオススメ構成を、Intel編とAMD編の2パターン紹介した。そこで、Intel編のオススメ構成を例として、実際にPCを組み立て、ゲームパフォーマンスを検証してみたい。なお、グラフィックドライバのバージョンは、GeForce Driver 190.62である。

ASCII.jpオススメ「ゲーミングPC」のパーツ構成
CPU Core i7-860 2万9000円前後
マザーボード GIGABYTE「GA-P55-UD5」 2万7000円前後
メモリー Corsair「TW3X4G1333C9A」(2GB×2) 1万円前後
ビデオカード ELSA「GLADIAC GTX 295 V2」 6万円前後
HDD Seagate「ST31000528AS」 8000円前後
光学ドライブ LITEON「iHAS324-32」 4000円前後
OS Windows 7 Ultimate DSP版(32bit) 2万5000円前後
合計金額   16万3000円前後

バイオハザード5

 まずは、2009年9月17日に発売されたばかりの最新サバイバルホラーゲーム「バイオハザード5」のベンチマークを行なってみた。バイオハザード5ベンチマークは、DirectX 9対応版とDirectX 10対応版が用意されており、それぞれベンチマークAとベンチマークBの2種類のテストを行なえるが、ここではDirectX 10対応版のベンチマークAの結果を掲載する。ASCII.jpオススメ構成に基づいて組み立てたゲーミングPCは、1920×1200ドットの高解像度でも、98.7fpsという高いフレームレートを記録。これなら、描画品質に関する設定を最高にしても、十分快適にプレイできるだろう。

ストリートファイター4

 次は、最新格闘ゲーム「ストリートファイター4」のベンチマーク結果を示す。フレームレートは、1920×1200ドットモードでも300fpsを超えており、快適なゲームプレイの目安である60fpsを大きく上回っている。

ラストレムナント

 最後は、人気の国産RPG「ラストレムナント」のベンチマーク結果だ。このテストでは、FSAA無効時とFSAA 8x有効時の2種類の条件で計測を行なった。FSAA 8xを有効にしても、フレームレートはわずかしか低下せず、1920×1200ドットモードで150fpsを超えている。ラストレムナントベンチマークの解説によると、通常時(FSAA無効)のフレームレートが90fpsを超えていれば、「非常に快適」という判定になり、各種描画設定を最高にしても非常に快適な動作が見込めるとのことだ。

最強ゲーミングPCとWindows 7の組み合わせは超快適

 これらのベンチマーク結果から、今回製作したゲーミングPCのパフォーマンスは非常に高いということがわかった。バイオハザード5やラストレムナントのような重めのゲームソフトをプレイするにも、十分過ぎるほどの余裕がある。もちろん、Windows 7の動作も非常に軽く、サクサク動くので使っていて気持ちがいい。これだけのスペックがあれば、今後2、3年以上は、ゲーミングPCとして第一線で活躍できるだろう。なお、予算をもう少し抑えたい場合は、CPUをCore i7-860からCore i5-570に変更し、ビデオカードをRadeon HD 5870搭載ビデオカードに変更すれば、2万円近く安くなるが、パフォーマンス的にはそれでも十分に高い。

【機材協力】

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