※この記事は「現場でプロが培ったGoogle Analyticsの使い方」の第8回です。過去の記事も合わせてご覧ください。
検索エンジントラフィックの分析の2回目は、キーワードとWebサイトの相性をGoogle Analyticsでアクセス解析する方法を紹介します。ユーザーがどのキーワードで訪れ、どのコンテンツを読み、どんな感想を持ったのかをアクセス解析ツールから読み取る手法を紹介し、コンテンツの改善や時流の変化に気づけるようにします。
「うーん、ちょっと分からないです。前回は、キーワードから分析するのは『Google Analyticsの罠』。検索エンジントラフィックの増減は、検索エンジンの違いから分析する、という話でした。説明に一貫性があるんでしょうか?」――検索エンジントラフィックの分析は、
- ユーザーがどの検索エンジンから訪れたのか?
- どのキーワードを調べているユーザーが訪れたのか?
という2つの視点があります。おさらいを兼ねて、2つの違いを説明しましょう。まず、自分自身のことを考えてみてください。日本でシェアの大きい検索エンジンはYahoo! JAPAN(約5割)とGoogle(約4割)の2つですが、状況に応じて検索エンジンを使い分けることはありません。SEOやネットショップのコンサルタントなどの専門職は別にして、一般的には、ユーザーの「普段使い」の検索エンジンは決まっているはずです。
世界的傾向とは異なり、Yahoo! JAPANのシェアが日本で高いのは、ブロードバンドの普及期にGoogleが本格進出しておらず、パソコン雑誌や『できるインターネット×××』のような書籍で、初心者向けに検索エンジンを説明するときの例として使われたから、という説が有力です。日本最大のポータルとしての情報の一覧性、ヤフオクのような人気メニューと一体化しているのもシェアの高さを維持している理由でしょう。逆に、「オレは一般人とは違うぜ!」というユーザーは、日本語に正式対応していない時期からGoogleを使い始め、検索精度の高さやシンプルなユーザーインターフェイスを気に入っているのでしょう。
「インターネットの歴史の話ではなく、説明に一貫性があるかを聞いているんですが」――まぁまぁ、待ってください。Yahoo! JAPANとGoogleには、歴史的な経緯もあってユーザー層に相当な違いがあると理解しておくべきです。もちろん、両社は熾烈にシェアを争っていますので、お互いの長所を取り入れて、相手のシェアを奪おうとするはずです。今後、どちらかが守りに入らない限り、ユーザー層に大きな違いが出なくなるかもしれませんが、Yahoo! JAPANは「万人向け」、Googleは「テクノロジー好き向け」という基本的性質は当面変わらないでしょう。パナソニックとソニー、マイクロソフトとアップルのようなものです。