ちっとも「残念」じゃなかったAGOBOT
アニキ 声優の福井裕佳梨さんに会うこと。
―― ……。
アニキ だったんですけど、とある企画で偶然それがもう叶っちゃったんですよね。いやー、可愛かったなあ……。
―― あの、それでいいんですか。
アニキ だって地球上で一番好きな人なんですよ。大ファンですよ。自分の持っている色んな夢のなかで、はるか上の目標として位置していたんですよ。
―― じゃあ、この先、一体どうするんですか。
アニキ いや、まだ目標はありますけど。他人に言いふらすものでもないし……。
という野望の数々はオフレコで伺ったのだが、それが実現したらお伝えするチャンスもあるかも知れない。それは決して夢ではない、と私は思うのだ。
この後、我々は客席に移動し、AGOBOTのライブを初めて見た。
まず第一印象は「アゴイモウト」(アゴアニキの実妹)ことボーカルのヒトミちゃんが、ギターを持った人形みたいで可愛いかった。確かに少々ギターはつたない。でも、それをアゴアニキが心配そうに見守るポーズと併せて、立派な芸になっていた。
それに、以前のインタビューで「残念」呼ばわりされていたボーカルが、なによりバンドの武器になっていると感じた。残念じゃないのが残念というか、声量があって声質もアゴアニキの曲にドンピシャだ。調教前の椎名林檎と言えば、少しはイメージの足しにしてもらえるだろうか。
とにかくAGOBOTは普通にバンドとしてイイ。アゴアニキもモジャモジャ頭をブン回し、サービス精神全開で動き回っていたし、ニコニコ動画で聴いていたどの曲も、バンドサウンドでまったく別のエネルギーを得ていたと思う。最後は今回の出演者全員がステージに並び、AGOBOTの代表曲「よっこらせっくす」を大合唱して、このイベントは終わった。
なお、第3回目は2010年1月23日(土) StudioCube326、第4回目は3月13日(土)表参道FABで開催予定。いずれもチケットは瞬殺が予想される。公式サイトで予約開始日のチェックをお忘れなく。
著者紹介――四本淑三
1963年生まれ。高校時代にロッキング・オンで音楽ライターとしてデビューするも、音楽業界に疑問を感じてすぐ引退。現在はインターネット時代ならではの音楽シーンのあり方に興味を持ち、ガジェット音楽やボーカロイドシーンをフォローするフリーライター。
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