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北海道のスープカレー好きプログラマーが作った「buzztter」

2009年10月02日 12時00分更新

文● ASCII.jp編集部

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今年3月、WBCで日本が優勝した瞬間のbuzztter。発言数に応じてキーワードが大きくなるが、このときはすべてのキーワードが拡大表示されていた

 「WBC優勝!」「萌え寺発見」「ウチが火事」――。

 大きなものから小さなものまで、個人がたった一言から世界にニュースを発信できるコミュニケーションツール、Twitter。国内のユーザーは78万人とまだまだ少ないが、ネットの速報性が威力を発揮するメディアとしては現在随一といっていい。

 いわば何でもありのニュース番組のようなTwitterから、流行しているキーワードを抜き出してくれるサービスが「buzztter」だ。スポーツの大きな試合やタレントの記者会見など、注目のイベントがある時には、2ちゃんねるを上回る「ネットのお祭り」といった様子を見せる。

 今やTwitterユーザーを核にした1つのメディアとなり、「バズっている(buzztterで流行している)から見てみる」といったようにユーザーの生活にまで影響を与えている。

 そんなbuzztterを開発・運営しているのが設樂洋爾(しだら・ようじ)さんだ。buzztterはどんな環境で作られているのか、また運営する上での苦労はどこにあるのか。システムを陰で支えるプログラマーの話を聞いた。

※ 2009年6月時点。ネットレイティングス調査による


みんながTwitterで何をしているのか、見てみたくなった

―― はじめに、buzztterを作ったときのことを教えていただけますか?

設樂 もうけっこう前のことなので忘れつつあるところなんですが、Twitterというサービスがあるという話が身の回りでぽつぽつ見えるようになって興味を持ちました。「今何してる」を皆で書くというサービスなので「皆が今していること」を見てみたいな、と思ったのがきっかけです。

 実際にそれを作ってみたら面白かった。そうしたら見てもらいたくなった、という感じでした。Twitterを初めてからほぼすぐbuzztterをリリースしたので、ちょっとおもしろいスタートの仕方になったなと思います。

buzztter開発・運営を行なっている設樂洋爾さん(30)。プログラム言語「Ruby」をメインに扱うプログラマーで、現在は札幌に住んでいる


―― プログラムそのものはすんなり完成したんでしょうか。

設樂 作り始めてから、一番最初のバージョンができるまでは2週間くらいでした。今からするとかなり単純なものでしたね、まだbotとかもなかったですし。根本的なアイディアは今も変わっていません。普段より多く言及されている単語を探して、それをリストアップするという仕組みでした。

 ただ、最初のバージョンは単語を対象にしていたので、たとえば「結婚」と「式」が分かれてしまったり、「美容」と「院」が分かれてしまったりといったことがありました。「涼宮ハルヒの憂鬱」も単語でバラバラになっていたんですね。これはいけないと思って、フレーズの形で抽出する仕組みを導入しました。それがリリースの1週間後ですね。これは面白いと思っていたのでどんどん作り込んでいきました。

設樂さんのブログ「dara日記」。「buzztterの裏側とその周辺技術」というエントリーで、プログラムに関する詳細なプレゼン資料が掲載されている http://d.hatena.ne.jp/darashi/20071106/1194365071


―― 実際に集まったバズワードを見てみたとき、「予想通りだ!」と思いましたか? それとも「こんなこと話してるの?」と思いましたか。

設樂 予想通り、とまではいかないんですが「ああ、なるほど」という感じでしょうか。先ほどの「結婚」「式」と「美容」「院」の話はたしか6月の週末だったので「ああ、季節感があるな」と。そういうのを見ていて、うまく動いてるなと感じていました。


―― 「ドロリッチ」「まいんちゃん」など、この2年間で「バズりやすい」キーワードは変わってきましたか?

設樂 変わってきていると思います。Twitterの使われ方が変わってきていることにも関係している気がします。近頃はチャットに近い使われ方や、面白いエントリーのURLを共有するSBM的な使われ方であったり、色々な使われ方をするようになってきて、「今、何をしているか」だけではない言葉が出ることが多くなってきたような気がします。

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