ハイライト~前景編
さて影を塗り終えたら、細かい線画の仕上げ。パレオのレイヤーから選択範囲を取り、色トレ用の塗りつぶしレイヤーを作成。ぼかしフィルタ(ガウス)を2.0px程度かけ、色相を調節して色味を調整する。先ほど目元に色トレースを施したのと同じ工程だ。その後は同様に水着、肌と続けて色味を調整していく。肌の場合は色を付けたいところだけに集中する。
さらりと「ガウス単位でのボカシをかけ」といったが、その理由はパレオの輪郭部分の線だけ色トレースの効果を半減させるため。INOさんの場合は、外側の線を濃くしたいためこのような方法をとっている。
それが終わったら今度はハイライト。まずは髪だ。10px程度の白いブラシで二つの輪を描くようにハイライトをかけたら、レイヤーモードを「スクリーン」に設定して透明感を出す。スクリーンを使うのは不透明度の調整と異なり、上に来るレイヤーが必ず明るくなるためだ。
続いて肌のハイライト。基本的には腕や肩などの光が直接当たるところにブラシで小さく線を引いていくが、胸元など目を引きたいところに付けることもある。肌に入れるもう1つの光が、床からの反射光。肌のりんかくに沿って、薄く影を消していく。うるさくなりすぎないように注意する。
その次に来るのが頬紅。適当なサイズのブラシで左右の頬に三角形を描き、ぼかしフィルター(ガウス)をかけて滲ませる。うっすら赤みがかかる程度まで色を落としたら完成だ。
最後の仕上げに水着の色味を調整し、キャラクターは完成! ちなみにこの時点でレイヤーは「人物」「椅子」「背景」「トレペ」の4つにグループ分けされている。
さて最後に残った難題が背景。今回、編集長が出したお題は「地中海」だ。資料を見ながら、「白を基調」にした地中海のイメージを描いていく。まずは前景となる床を多角形選択ツールで選択し、そこから新規に塗りつぶしレイヤーを作成。青色系統で色味を調整したら、手前の石壁の細かい描き込みに移る。
初めに通常のブラシで輪郭を描いた後、次に使うのはカスタムのアナログ風ブラシ。サイズは30px程度に設定し、石壁の質感を出すように描く。それが出来たら、今度は同様に椅子の影をブラシで描き、終わったら新規に塗りつぶしレイヤーを作成。手前から奥に向けて水色に抜けていくようなグラデーションをかける。レイヤーモードを「スクリーン」に変更し、徐々に影が抜けていくような効果を出す。
続いて椅子の影。ウェットエッジにチェックを入れ、濡れたような質感のブラシでなぞって影のにじみを出す。椅子の足から落ちる影もこれで再現している。同様に後ろの石壁もウェットエッジをかけたブラシで質感を出し、前景は完成だ。
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