赤ペンレイヤー~影付け
次は影付け――と、その前にちょっと修正を。足の角度を修正するため、肌レイヤーの上に新しく「赤ペンレイヤー」を作成する。文字通り赤いブラシで修正の線を描いたら、不透明度を下げて元のレイヤーと比較して消していき、修正完了。
さて、それではここから髪と肌の影付けに入る。髪と肌、それぞれの範囲取りを済ませたレイヤーをクリッピングマスクとして新規塗りつぶしレイヤーを乗せ、130px程度の大きめのブラシで「明るい部分」を描くようにして影を付けていく。クリッピングマスクは、肌からはみ出さずに色を塗るための基本となる機能だ。
まずベースとなるのは「面の向きによる影」。光源が真上と設定し、光源に向かっている部分は明るく、光源に対して垂直な面は暗く、というルールを守れば明暗がはっきりする。うまくいかないと思っているときは「二の腕だけ」「手首だけ」など、細かいパーツ内で明暗を出そうとして全体に目がいかなくなっていることが多いという。
それがはっきり分かるポイントが、たとえば「足」だ。今回のイラストの場合、ひざから下はすべて「影」として暗くしているが、うまくいかないと思っている人はその「省略」をせずに、細かい影を描こうとしていることが多い。一部だけを見れば立体感は出ているものの、全体を見るとのっぺりした印象になってしまう。
続いて2つめの影は「落ちている影」を描く。髪から、胸から、首から、それぞれのモノから落ちている影を濃い影として描いていく。ここでもやはり細かすぎる書き込みは避けた方が◎だ。
影を始めとした色彩のパターン、いわゆる「パレット」は、拾ってきてでも良いものを使った方が良い。それだけで画力が格段に変わって見えるという。イラストの描き方で見落とされがちだが、この「色」はイラストのすべてを決めるほど重要なもの。1つ1つの色に対し、自分で「答え」が出せているかを把握していくことが必要なのだとか。
PCゲームの原画作家として活動しているINOさんは、その「色彩力」は売上本数にも影響を与えているのではないかと口にする。アニメの場合、色彩設計という専門職があるが、PCゲームの場合はグラフィッカーが兼任している。色彩センスのような努力だけではどうにもならない部分が売上に直結するのなら、専門職がいてもいいのではないかという。
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