昨年末の世界的不況の影響やエコポイントの導入などにより、今年の前半は省エネに対応した液晶テレビが各社から登場。LEDバックライト搭載などの画質にこだわったモデル、テレビ録画対応などの多機能モデルなども目新しい話題となった。
そんな今年の動きのなかで、いまいち目立った話題がなかったのが「超薄型」。各社から発売が相次いだ一昨年に比べると(全体的に薄型テレビの奥行きはより薄くなる傾向にあるが)、注目を集めるほどの「極薄」を実現するのも難しいのだろう。
そんななかで登場したのが、ソニーの「BRAVIA ZX5」シリーズだ。40V型だけであった前機種「ZX1」に比べ、サイズは52V型、46V型と大画面化。最薄部は52V型で16.6mm(46V型は15.8mm)と「世界最薄」ではないものの、大画面テレビとしてはかなりの薄さだ。その実力をじっくりとチェックしてみた。
なお、ZX1の店頭販売は継続で、同じく昨年発売されたハイエンドモデル「XR1」、「X1」シリーズも継続となる。
エッジライトLED採用の薄型パネルをさらに熟成
薄型化を実現した「エッジライトLED」や「パネルと外装の一体化構造」など、基本的な仕組みはZX1と同じ。しかし、エッジライトLEDはZX1では上下左右の四方に白色LEDを配置していたが、ZX5は下部だけに白色LEDを配置している。LEDの発光効率も改善しているため、大画面化にも関わらず消費電力は254W(別体チューナー部込み)と、低く抑えている。
気になるのは、いかに導光板で拡散しているとはいえ、下部にしかLEDがないことによる光ムラ。実機を暗室(撮影スタジオ)に持ち込み、全黒画面を表示して確認したが、光ムラはほとんど気にならなかった。一般的な家庭の環境で光ムラが気になることはほとんどないだろう。
これにより、不要な発熱が減ったため、放熱板を兼ねるアルミ製の外装が不要となった。今回はブラックのフレームの前面と上下左右の側面を透明樹脂で包んだデザインとなっており、一枚板のようなフラットなデザインがさらに洗練されたものになっている。実際、ZX1は長時間使っていると、フレーム部分が人肌よりも高い温度に温まっていたが、ZX5ではボディが温かく感じるようなことはなかった。