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世界2千万部ファンタジー小説「アイスウィンド・サーガ 冥界の門」発売!

2009年09月29日 00時00分更新

文● 第八編集部 工藤裕一

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 この小説の主人公は、多くの読者にとって、かけがえのない存在になるようだ。

 通常の小説シリーズでは、巻を追うごとに、読者が少しずつ離れていく。しかしこの主人公が活躍する「アイスウィンド・サーガ」「ダークエルフ物語」両シリーズは、長く物語を追い続けてくださる読者の方が実に多い(かく言う私もその一人。彼の冒険は最後まで見届けます!)。ダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D)という元祖ファンタジーRPGの、中世ヨーロッパ風世界「フォーゴトン・レルム」を舞台にした冒険活劇ものだが、この主人公に関しては、女性の支持者も非常に多いのが特徴だ。

アイスウィンド・サーガ 冥界の門

「アイスウィンド・サーガ 冥界の門」/原題:THE LEGEND OF DRIZZT 6 - THE HALFLING'S GEM/R.A.サルバトーレ著 府川由美恵 訳/定価:2625円 (本体2500円)/B6変形・ソフトカバー/536ページ/ISBN:978-4-04-868055-4/発行:アスキー・メディアワークス 発売:角川グループパブリッシング


 その主人公の名は、ドリッズト・ドゥアーデン。

 地下に住む、ダークエルフ族という邪悪で残酷な種族の出だが、故郷のそうした美意識にどうしてもなじめず、地上世界に飛び出してきた――ダークエルフということで、地上で差別と偏見を受けるとわかっていながら出奔してきた――異端児だ。肌は黒く、髪は真っ白で長く、瞳はラヴェンダー色。二刀流の剣の使い手だ。「ダークエルフ物語」シリーズ、「アイスウィンド・サーガ」シリーズでは、このドリッズトの誕生から、同族社会になじめない葛藤、家族との対決、危険で孤独な闘いと成長、そして数々の冒険のなかで勝ち得ていく数少ない友情と真の信頼の物語を、スピーディーな冒険譚という形式で描いている。

 雑誌「SFマガジン」の2009年9月号(栗本薫先生追悼号)の巻頭カラー1ページにて、作家の岡田剛先生が、『ダークエルフ物語』を“心に残る一冊”として紹介してくださっていることからも、この作品とキャラの魅力をおわかりいただけるだろう。その中で岡田先生は、この作品を“キャラクターの力を教えてくれた名作”と褒めてくださっているのだ。

 このたび(2009年9月29日)、既刊書『アイスウィンド・サーガ 暗黒竜の冥宮』に始まる大冒険の完結編を描いた『アイスウィンド・サーガ 冥界の門』が、株式会社アスキー・メディアワークスから刊行された。これで、『アイスウィンド・サーガ 暗黒竜の冥宮』→本書→『ダークエルフ物語 ドロウの遺産』→『ダークエルフ物語 星なき夜』と物語がしっかりつながることになる。さらなる続巻も刊行予定である。未読の方には、ぜひこの機会に、この一度ハマったら抜けられないこの名作を、手にとっていただきたい。

アイスウィンド・サーガ 冥界の門

「アイスウィンド・サーガ 冥界の門」のカバーデザイン


ストーリー

 前作『アイスウィンド・サーガ 暗黒竜の冥宮』に始まる、ドワーフの幻の故郷ミスリル・ホール探索の旅は、ある悲劇的な結末を迎える――本作では、そのミスリル・ホールでの激闘の末、冷酷な暗殺者アルテミス・エントレリにさらわれたハーフリングのレギスを救うべく、ドリッズトとウルフガー(蛮人の戦士)が、南の大都市カリムシャンへと旅立つことになる。

 その道のりは長く遠く、冒険の舞台は海上や砂漠へと広がっていく。

 彼らを待ち受けるのは、冥界への門を開ける強力な魔術師や、残忍なワーラット(ネズミ人間)団を擁する、盗賊ギルドの長パシャ・プークの陰謀だった…… 大都市カリムシャンでは、多くの人間がワーラットにかまれ、疫病のように、ネズミ人間化する現象が広まっていた! 旧・富士見文庫版「アイスウィンド・サーガ」の5巻「海賊海峡の死闘」と6巻「冥界の門」を合わせた内容に、ドリッズトの独白文×3点ほかを原著者が書き足した、いわば完全版の、初邦訳作品である(訳文は今回、いちから見直し、刷新してある)。

★詳細情報はこちら
 アスキーブックス「アイスウィンド・サーガ 冥界の門」情報
 アスキー・メディアワークス ファンタジー小説サイト「アイスウィンド・サーガ 冥界の門」情報


シリーズの構成

1) 「ダークエルフ物語」シリーズ
~ドリッズトの生い立ちと、ドリッズトが故郷の地下世界を捨て、地上のアイスウィンド・デイルの仲間たちと出会うまでの物語~
「ダークエルフ物語 1 故郷、メンゾベランザン」(絶版)
 原題THE LEGEND OF DRIZZT 1 - HOMELAND(THE DARK ELF TRILOGY 1)
「ダークエルフ物語 2 異郷、アンダーダーク」(絶版)
 原題THE LEGEND OF DRIZZT 2 - EXILE(THE DARK ELF TRILOGY 2)
「ダークエルフ物語 3 新天地、フォーゴトン・レルム」(絶版)
 原題THE LEGEND OF DRIZZT 3 - SOJOURN(THE DARK ELF TRILOGY 3)
2) 「アイスウィンド・サーガ」シリーズ
~ドリッズトが仲間たちとアイスウィンド・デイルを守り、失われたドワーフの故郷ミスリル・ホールを探す旅に出る物語~
「アイスウィンド・サーガ 1 悪魔の水晶」(絶版)
「アイスウィンド・サーガ 2 ドラゴンの宝」(絶版)
「アイスウィンド・サーガ 3 水晶の戦争」(絶版)
 原題THE LEGEND OF DRIZZT 4 - THE CRYSTAL SHARD(THE ICEWIND DALE TRILOGY 1)(上記のアイスウィンド・サーガ1~3巻は、この原書1冊を3分冊して邦訳したもの)
「アイスウィンド・サーガ 暗黒竜の冥宮」(発売中:新たな冒険が始まる!)
 原題THE LEGEND OF DRIZZT 5 - STRAMS OF SILVER(THE ICEWIND DALE TRILOGY 2)
「アイスウィンド・サーガ 冥界の門」(発売中)
 原題THE LEGEND OF DRIZZT 6 - THE HALFLING'S GEM(THE ICEWIND DALE TRILOGY 3)
3) 「ダークエルフ物語」(続編)シリーズ
~地下世界からの刺客たちがドリッズトを襲う! ドリッズトとその仲間たちが、ダークエルフと全面戦争をする物語~
「ダークエルフ物語 ドロウの遺産」(発売中)
 原題THE LEGEND OF DRIZZT 7 - THE LEGACY
「ダークエルフ物語 星なき夜」(発売中)
 原題THE LEGEND OF DRIZZT 8 - STARLESS NIGHT
「ダークエルフ物語 暗黒の包囲網(仮)」(発売時期未定)
 原題THE LEGEND OF DRIZZT 9 - SIEGE OF DARKNESS
「ダークエルフ物語 夜明けへの道(仮)」(発売時期未定)
 原題THE LEGEND OF DRIZZT 10 - PASSAGE TO DAWN

(※注意:D&D小説一覧表(http://www.asciibook.com/dd/dd-ichiran-0817-2.htm)もご参照ください。なお、上記は物語の時系列順に並べていますが、米国での出版順は「アイスウィンド・サーガ」→「ダークエルフ物語」→「ダークエルフ物語(続編)」です)


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