Core i7-800番台/Core i5-700番台がデビュー
インテルが初めて「Core iシリーズ」を市場に投入したのが2008年11月16日。あれから約10ヵ月の時を経て今回登場したのが、コードネーム“Lynnfield”ことクアッドコアのCore i7-870、Core i7-860の800番台、そして初の“Core i5”シリーズとなるCore i5-750の700番台の合計3つのプロセッサだ。
一見そのモデル名から、Core iシリーズの派生型の印象が強いために「Core iシリーズ」が初めて登場した時のような新鮮味には欠けるものの、似て非なるものとなるそれは、ソケット形状がLGA1366からLGA1156へ変更され、さらに対応チップセットがインテルP55 Expressとなり、いずれもまったく互換性を持たない、新アーキテクチャとなっている。
・Core i7-870(2.93GHz)Turbo Boost最大3.60GHz / TDP:95W
実売価格 6万円前後
・Core i7-860(2.80GHz)Turbo Boost最大3.46GHz / TDP:95W
実売価格 3万円前後
・Core i5-750(2.66GHz)Turbo Boost最大2.66GHz / TDP:95W
実売価格 2万1000円前後
主な特徴に関しては当サイトで既に紹介済み(関連記事)なので、そちらを参照していただければと思うが、ポイントだけを紹介すると以下の大きな特徴を持っている。
・CPUソケットがLGA 1156になった
・i7-860/870はi7-900シリーズと互換性がない
・メモリインターフェイスが内蔵された
・使用できるメモリはDDR3 1333(PC3-10600)
・メモリチャネルは2ch
・PCI Express 2.0 x16インターフェイスが内蔵された
・CrossFireXをサポート
・対応チップセットは現時点でP55のみ
・NVIDIA SLIはマザーボードごとに異なる
これだけ見ると、なるほど立派に新アーキテクチャである事がお解りいただけるだろう。プロセッサ自体にPCI-Expressコントローラーが内蔵され、組み合わされるIntel P55 ExpressはICHが不要のワンチップ構成で、ストレージやサウンド、さらにはUSB等の制御には「PCH」(Platform Controller Hub)が採用されている。そしてCore i7-800番台とCore i5-700番台では、前者のみHyper-Threadingに対応し、差別化が図られている。
プラットフォームの比較 | |||
---|---|---|---|
CPU | Core i5-750 Core i7-860 Core i7-870 |
Core i7-900 Series |
Core 2 Series |
CPUソケット | LGA 1156 | LGA 1366 | LGA 775 |
対応チップセット | P55 Express | X58 Express | P45 Express |
メモリインターフェイス | CPUに内蔵 | CPUに内蔵 | チップセットに内蔵 |
PCI Express I/F | CPUに内蔵 | チップセットに内蔵 | チップセットに内蔵 |
PCI Express Graphics | 16レーン x16 + x0 x8 + x8 |
32レーン x16 + x16 + x0 x16 + x8 + x8 |
チップセットに依存 |
CrossFireX サポート | ○ | ○ | チップセットに依存 |
SLI サポート | ○ | ○ | チップセットに依存 |
SATA2 | 6ポート | 6ポート(ICH10) | 6ポート(ICH10) |
RAIDサポート | ○ | ICH10Rにて対応 | チップセットに依存 |
また、TDPの範囲内という条件が付くものの、従来のCore i7同様、十分に冷却環境が整っていれば自動でオーバークロック動作を行なう機能“Intel Turbo Boost”がサポートされている。ただしこれまでのCore i7との違いは、3コアの倍率が1つ、残り1コアの倍率は2つそれぞれ上がり、加算クロック倍率は「1-1-1-2」となるが、Core i5-750の場合「1-1-4-4」となり、CPUクロック2.66GHzが2.8/2.8/3.2/3.2GHzに、またCore i7-860は「1-1-4-5」となり、2.8GHzが2.93/2.93/3.33/3.46GHz、さらにCore i7-870は「2-2-4-5」となり、2.93GHzが3.2/3.2/3.46/3.6GHzに大幅向上される。
かなり乱暴に言えば、“Intel Turbo Boost”を最大限有効にしようと考えた場合、TDPの範囲内という条件が付くことから
理論上、冷却能力が高いCPUクーラー(後述)を用意する事に越したことはないと言えるだろう。
(次ページへ続く)
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