美少女CGがキラッ☆と踊る! iClone 3で3Dムービー作ってみた

文●ASCII.jp編集部

2009年09月25日 12時00分

メロイックサインを横にしたようなポーズをとるCGキャラクター。こんなCGを使ったアニメがiClone 3 PROで作成出来る

この秋はメディアアートの秋なのである

 今日も暇さえあればニコニコ動画やYouTubeを眺めては、好きそうなサムネイルをクリック、クリックまたクリック。そうしてただ受動的に作品に没入しているだけでは、テレビを「ながら見」しているのと同じこと。まるでカンナをかけるように日々が削りとられていく感覚を覚えるのは筆者だけではないはずだ。

 いつどこで誰から生まれたかに関わらず、自分の人生はたった一度きりのもの。そこにステージがあるのなら、踊らないなんて手はないんじゃなかろうか。ここはひとつ芽生えた創作意欲を身近なステージである動画サイトにぶつけてみようではないか。

AH-Software「iClone 3」

 そう決意したのはいいものの、こちとらせいぜいモノ書きしか出来ないただのシロート。DTMなんてシーケンサーを見ただけでめまいがするし、まして映像編集なんて、とてもじゃないがついていけない。気づけば「MikuMikuDance」を使った3DアニメのPV動画の関連リンクをたどっている自分がいることにふたたび絶望する。

 そんなとき、「frimo 3」や「CrazyTalk」シリーズを作っているAH-Softwareから「iClone 3 PRO」なるソフトの日本語版が発売されたと聞いた。なんでも、キャラクターに特化した3DPVを作るアメリカ発のソフトらしい。

 検索の結果たどりついた、英語版「iClone 2」の公式デモをYouTubeで発見し、軽く腰が抜けそうになった。もはや説明なんて意味がないので、とにかく再生してみてほしい。

 ともかくもこの自由度に驚き、自分のようなシロウトでも何かが作れるのだろうかとカチカチいじり、とりあえず手始めに「美少女CGを踊らせてみた」動画を作ってみることにした(というか最初はそれくらいしか発想出来なかった)。

 この記事をきっかけに、ニコ動やYouTubeを舞台に自分を思い切りぶつけてみたいという、読者の創作魂に火がつけられたら幸いだ。

キャラクターを設定する

 まずは動画のメインとなるキャラクターを決定する。自分で用意した3DCGデータも使えるけど、こちらはシロウト。もっちろんそんなものは持ち合わせておりません。「キャラクター」にプリセットのデータが収録されているので、その中から選ぶことにする。

プリセットの3DCGキャラクターから、カンタンに動画を作ることが出来る

 立体的な人物キャラクターだけではなく、2.5次元(?)的なアニメのようなキャラクターも用意されている。外見だけではなく、それぞれ独自のモーションパターンを持っているので、そこから選ぶのもいいだろう。

いわゆる「アニメ絵」のキャラクターも用意されている

 たとえばマッチョ系のキャラクターであれば格闘技をモチーフとした動き、ダンサー系のキャラクターであればダンス、といったようなものがある。もちろんモーションはどのキャラクターでも自由に設定出来る。その辺りは記事後半で。

 どれにしようか迷った挙句、今回は公式キャラクターの「リズム」を使ってみることに。「踊らせてみた」動画を作ったとき、長い髪がモーションに合わせて揺れると画面全体に動きが出るはず。

今回使用したキャラクターはこちら。アクションしたとき、一緒に動くツインテールが特徴

 iCloneは実際の写真から顔を当てはめることも出来るのも大きな特徴。試しに筆者の顔をインポートしてみるとこんなことになる。こちらは写真よりも分かりやすく動画でどうぞ。

 わはははは、と思わず笑っちゃうほどの出来映えだ。

 もちろんこの顔のまま踊らせることも出来るし、リップシンク機能を使ってしゃべらせることも出来る。MP3データを読み込ませるほか、テキストボックスに打ち込んだ英語をしゃべるTextToSpeech機能もある。自分の口がウニャウニャ動く姿はなかなかキモくて面白い……のだけど、さすがに自分が歌って踊っちゃう動画は正視出来ないのでパスということで……。

 なお、こうして作成したキャラクターは髪や服、また体型や肌の色などの要素をアバターキャラクターのように設定可能だ。歯並びや目の形など、本当に細かいところまで指定出来るので、気に入ったキャラクターをとことん作りこめる。

BGMを決め、実際に「踊る」アニメーションを入れる

 それではいよいよBGMを設定し、実際にキャラクターを踊らせてみることにしよう。

 まずはセットメニューの「ミュージック」からBGMを指定する。面倒がりの筆者はプリセットのダンスミュージックを駆使することにした。もちろんオリジナルのMP3をインポートして使うことも出来る。

 BGMが決まったら、踊りのモーションを指定する。もちろんイチから作ることも出来るが、ここでも面倒がりのクセを出し、まずはプリセットを利用させてもらうことに。「アニメーション」メニューの中に、「ダンス」や「アイモーション_ダンサー」ディレクトリなどにダンス用のモーションが用意されている。

左ペインからミュージックを選択。同様の手順でダンスのモーションも選べる

 サムネイルをダブルクリックするとプレビューするので、好みの動作を選んでいく。ここでは、一風変わったダンスモーションを集めた「ダンス」や「その他」のディレクトリからモーションをいくつか取り込んでいくことにした。

 アキバ系アイドルイベントでよく見かける観客のモーション(いわゆる「オタ芸」)やちょっと前に流行った「ウッーウッーウマウマ」ダンス、またマイクを持った状態でメロイックサインを目の前に掲げる、「キラッ☆」で知られるポーズなどもプリセットされている。言葉で説明しても分かりづらいと思うので、ここはひとつ、動画で見てみてほしい。

 とはいえやはりプリセットだけというのも味気ないので、自分でもモーションを作ってみることにする。まずは「アニメーション」メニューの右ペインから「モーション編集」をクリックする。

 キャラクターの体から動かしたい部分を選び、画面上でぐりぐりと動かす。完成したら画面下のタイムラインを進め、次のモーションを追加する。するとソフト側でその間の流れを補完し、自動的にダンスが出来上がるようになっている。ラクすぎて困る。

 音楽とダンスの動きをうまく合わせるには、画面下からタイムラインを呼び出してモーションのつなぎ目をドラッグして調整すればいい(ただし、タイムラインはPRO版のみの機能)。

タイムライン上でBGMと動作をつなぎあわせることも出来る

 今回は使わなかったけど、通常の「エディターモード」を画面下のボタンで切り替えた「ディレクターモード」では、上下左右のカーソルキーでキャラクターを動かし、ボタンクリックでモーションを指定することが出来る。まるでゲームをプレイするような感覚で動画が作れるので、驚くほどとっつきやすい。

セットを決め、舞台を演出する小物を選ぶ

 モーションが決まったら、今度は舞台決めだ。「セット」メニューからキャラクターを立たせるステージを決め、演出用の小物を置いていく。

 ダンスというならやっぱりクラブか、と思ったけど今回はあえて野外で踊ってもらうことに。「地形」項目から「丘」をクリックすると、舞台は見渡す限りの広大な丘に設定される。続いて、野外なので空模様を設定。やっぱり青空がいいよなあということで天気は晴天を選択する。

背景をいくつかのパターンから選択。今回は広大な丘を舞台に踊ってもらうことに

 舞台は出来たけど、このままだとちょっと切ない。何か演出用の小道具が欲しい。

 というわけで、小物として木を生やしてみることに。「木」項目からカシの木を選択し、バックステージにあたる部分に配置。足元に何かがあってもいいなということで「草」からマグノリアや黄色い花、草をパラリと散らす。この草木、ただ配置するだけで風を受けてなびくモーションまでしてくれる。

丘を彩る草木を配置していく。ただ配置するだけで、風になびくモーションが自動でついてくる

 それから今回はダンス動画なので使うことはなかったが、舞台の上に水を発生させ、海や湖にいるような演出をすることも出来る。これがまたすごいのだ。

 キャラクターはもちろん水面に映り、水面の下にカメラアングルを設定すると、水の中から覗き込んだような目線になる。また細かく調整もでき、水嵩を調整するだけでなく、水の透明度を変え、水中を透けさせることも出来る。

画面を水で満たすことも出来る。水中からのアングルになるとしっかり顔面がゆらゆらと揺れる

 小物も凝ったものが多い。たとえば面白いのが「ジープ」だ。

 右クリックからアクションを指定出来るのだけど、「ドアを開けて車に乗り込む」「ドアを開けて車から出る」というアクションがクリック設定だけで行なえるのだ。ジープに設定されているアクションは4種類で、もちろんどのキャラクターでも共通のもの。

演出効果を追加し、動画として保存する

 最後に動画にカメラワークや特殊効果などの演出を施していく。まずは「ステージ」からカメラの動作を設定。「カメラ切替01」「サイクル&ドリー」を選択してみると下の動画のようになる。プリセットだけではなく気合いを入れたい方は自分でも設定出来るのでチャレンジしてはいかが。

 さらに、ステージ上にフォグ(霧)を発生させたり、スポットライトを当てたような照明効果を入れたりといった工夫も出来る。やたらめったらに入れるとレンダリングが非常に重くなってしまうのでご注意を。

 そんなこんなで出来上がった動画がこちら!

 今回はプリセットで出来ることを試してみる形になったが、これは全体の機能からしたら、氷山の一角中の一角でしかない。出来そうなことを徹底的に試し、思うがままの映像を生み出してみてほしい。


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