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四本淑三の「ミュージック・ギークス!」 第1回

Dixie Flatline×キャプテンミライ対談【前編】

プロ作家、Dixieさんはニコニコ動画に救われた?

2009年09月13日 12時00分更新

文● 四本淑三

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ある日突然、メロディが浮かばなくなった

―― Dixieさんはメジャーシーンで活動されていたと聞きましたが。

Dixie 5~6ほど年前まで、ある大手のプロダクションに所属し、契約作家として活動していました。アーティストに曲を提供したり、新人を売り出したり。そういう仕事ですね。

Dexie Flatlineさん。プロダクションにアーティストとして所属していた、文字通りのプロ作家


―― そのDixieさんが何故ボーカロイドを?

Dixie 自分ではメロディメーカー的な自負があったんです。放っておいても、メロディなんかポンポン浮かんでくる。でも何度か嫌な夢を見た後に、それらが突然、頭の中から消えたんです。


―― ……僕らには想像も付かない状況ですが、そうなった理由は何だと思いますか?

Dixie 嫌なことを続けていたせいかも知れないですね。何を弾いても、何も感じない。今まで愛着を持って弾いていた楽器が、急に冷たくなった感じがして。ああ、もう終わったなと。それできっぱり止めました。


―― それから今まで、どうされていたんですか?

Dixie 音楽しかない状態で仕事をしてきましたから、半分死んでいるような感じで。仕方なく地元に戻って、5年ほど過ごしました。でもある日、夜空をぼーっと見上げていたら、メロディのかけらみたいなものが落ちてきて。その音を忘れないように、まずソフトシンセとMacを揃えて。何か歌えるソフトがあるらしいという話を聞いて、黄色い双子のソフトウェアを買ったんです


―― いや、でも本当に良かったですね。

Dixie 当時は浦島太郎状態でしたから、最初は「初音ミク」ってギャルゲーかエロゲーみたいなものだと思っていたんです。自分が買った音声合成ソフトと同じシリーズとは知らなかったんですよ。ニコニコ動画を見たら、自分が買ったソフトと同じ名前のタグが付いていて、それで気が付いたくらいですね。

黄色い双子のソフトウェア: 鏡音リン・レンのこと。リン(女声)とレン(男声)という2種のボイスキャラクターをセットしたボーカロイド製品(amazon.co.jpで見る)。パッケージのイラストには黄色い髪の男女が描かれているが、公式に双子という設定はうたわれていない。

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