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GIZMONレンズであれこれ撮ってみました

北京で、魚眼で、iPhone──外部レンズの誘惑

2009年09月11日 17時00分更新

文● 塩澤一洋(成蹊大学法学部教授)

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万里の長城をフィッシュアイで撮る

 ホテルに戻り、朝食をとった後、いよいよ万里の長城に向かう。高速道路を北西に進み1時間ほどで長城が見えてくる。全長8800kmあまりあるという長城のうち、もっとも有名な「八達嶺(はったつれい)長城」だ。

 高速道路を出てから長城の駐車場まで、長い渋滞を我慢すること1時間。ようやく到着だ。都心の繁華街のように人が多い。さすがは世界遺産、「Great Wall」である。小さいポシェットひとつにすべてを収めて、人の波にもまれながら長城に登った。

 じりじりと晩夏の大陽が照りつける。暑い。絶好の撮影日和だ。はるか彼方まで延々と続く長城のイメージを、青空に流れる雲とともにフィッシュアイレンズで撮影した。山の向こうまで見えそうな気がする。フィッシュアイレンズの描写は面白い。

 180度のパノラマをすべて写し込むということは、人の写り込まない風景写真を撮ろうなんて思っても、所詮無理だ。ならば、逆に、人の多さが伝わるような写真を撮ればいい。すぐ目の前の触れるほどの距離にいる人々も、フィッシュアイレンズで撮ればこのとおり、ずいぶん向こうにいるように見える。

人ごみの中、フィッシュアイを使って万里の長城を撮影

 もちろん、城壁の外を撮れば、人のいない風景を撮ることができる。北からの敵に攻め込まれないために作られた長城だから、当然のことながら城壁の向こう側は絶壁。iPhoneやアタッチメントレンズを落とさないようにちょっとヒヤヒヤしながら撮った写真がこれ。下側に城壁が写っているが、撮影しているiPhoneを構える手は城壁の外側まで伸ばしている。

長城の外に手を出して、おそるおそる撮ってみた

 でも、これだけ人が多い場所で人が写っていない写真を撮ってみると、それはそれでなんだか寂しい。そこで、城壁の上で、人の流れが途切れる瞬間を待って、撮ったのが次の2枚。

人と背景のバランスがうまく取れた


使いやすい画角のワイドレンズ

今度はワイドレンズの出番だ

 おっと、フィッシュアイレンズの面白さばかりが先行してしまったが、ワイドレンズもあるのだった。そこでアタッチメントをワイドレンズに付け替えてみよう。

 このワイドレンズ、フィッシュアイレンズと比べてサイズも小さく、携帯性も一段と高い。さらにレンズの上部をねじって外せば、もっと小さなマクロレンズに早変わり。この1個2役のレンズは相当使える逸品だ。マクロレンズに関しては、最後のページで書くとして、ここはワイドレンズについて述べよう。

ワイドレンズを装着してみたところ

 それで撮影した写真がこれ。GR Digital IIIの28mmと比べると、このワイドレンズのほうが若干広く写っている感じだ。使いやすい画角の広角レンズである。iPhoneとともに使うアタッチメントレンズとしては、実はこのワイドレンズが日常的に最も使い勝手がよくて、使用頻度が高くなりそうだ。

ワイドレンズを装着して撮影。フィッシュアイレンズで何枚も撮った後に普通のワイドレンズで撮ると、なんか落ち着く

 この写真を撮っているとき、構え方はこんな感じ。iPhoneを左手の親指と人差し指でホールドしている。城壁の上でiPhoneを左手に持ち、それを右手に持ったGR Digital IIIで撮っている。次々と大勢の人が横をすり抜けて行く状況で、腕なんかにぶつかられたらiPhoneを落としてしまいそう。ドキドキの撮影である。

なかなか怖いシチュエーションでの撮影だ

 次は、フィッシュアイレンズで狭いところを撮ってみよう。

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