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Web担当者が語った導入効果

CMSで「ネオン街」から脱却した企業サイト

2009年08月28日 13時04分更新

小橋川誠己/Web Professional編集部

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 CMS(Content Management System)の導入やWebサイトのリニューアルを検討している企業向けのセミナー「成功事例で解説!CMSプロジェクト全貌とリニューアルの効果〜」をロフトワークが8月26日、東京都内で開催した。

 成功事例をもとにCMS導入の成果やプロジェクトの進め方などを解説する本セミナーでは、オムロンIABカンパニー、金沢星稜大学、ヤマトシステム開発の3社のWeb担当者と、制作を請け負ったロフトワークのWebディレクターが2名1組で登壇。それぞれの立場からCMS導入/リニューアルプロジェクトの様子を振り返った。


2年間更新のなかったページが復活

西川慈恩氏
オムロンの西川氏

 セミナーに登場した3社がCMSの導入に踏み切った理由は、ページ制作にかかる外注コストの削減、デザインレギュレーションの統一などさまざま。当然、最終的に得られた成果も「月間PV数が前年同月比193%」(金沢星稜大学)、「セミナー申込み率30%増」(ヤマトシステム開発)など三者三様だが、3社に共通して印象的だったのは、CMS導入をきっかけにして社内のWebサイト運営体制が整えられたこと点だ。

 たとえば、「スペシャルコンテンツ」と呼ぶ製品別の特別サイトにCMSを導入したオムロンIABカンパニーの場合、従来は各事業部の担当者がページ制作を外注し、HTMLの完成データをWeb部門に納入して公開するというフローをとっていた。そのため、販促費の予算がない部署はそもそもページを作成できず、上がってきたページも部署ごとにデザインが統一されていない状態だったという。

オムロン事例
オムロンIABカンパニーのリニューアルの効果(左)。分かりやすい管理画面(右)によって、現場担当者の更新を促した

 CMSの導入によって、デザインに一定の“縛り”を設けたことで、トーン&マナーを保つことに成功。各商品事業部の担当者が直接CMSを操作できるようにし、テンプレートをベースにした簡単なページであれば社員だけでも作成できるようにした。「制作費を予算化できず、2年間も更新されずに放置されていたページも、社員が楽しみながら久々に更新できた」とオムロンIABカンパニーWEB推進課の西川慈恩氏は振り返る。


まるで“ネオン街”のようなコーポレートサイト

大木 慎也氏
ヤマトシステム開発の大木氏
井下桂子氏
金沢星稜大学の井下氏

 もともとCMSを導入していたヤマトシステム開発は、リニューアルを機にWebサイトの運営体制を再整備した。以前は、部門の担当者にページの更新権限を与え過ぎために、「とにかく“目立ったもん勝ち”になってしまった。勝手にHTMLを変更して文字を赤にしてしまい、ネオン街のような状態だった」(ヤマトシステム開発 経営戦略室経営企画グループの大木慎也チーフ)というほど、担当者間で熾烈な“装飾競争”が繰り広げられていたという。

 今年4月のリニューアルでは、部門の更新担当者が使用できる機能にあえて制限を加えた。意外なことに現場からの反発はそれほどなかったという。「『文字は赤くできるからしていただけ』と言われた」(経営戦略室事業推進グループの金子典正アシスタントマネージャー)。結果、ユーザビリティを向上させることでき、企業サイトとしてのブランディングも実現できた。

 今年7月にCMSを活用したサイトへリニューアルした金沢星稜大学は、「学生にもCMSを開放し、情報発信力を高めていきたい」(金沢星稜大学/学校法人稲置学園 総務部企画広報課の井下桂子氏)という。多数の学部・学科やゼミ、サークルを抱える大学のサイトを広報担当者だけの力で更新するのは並大抵のことではない。教職員や学生の力も借りて、Webを通じて大学の魅力をアピールしてく考えだ。まずは教職員全員がWebサイトを更新できるようにするために、8月には学内でCMSの勉強会を開いた。

 一定のルールを保ちながら、現場が更新できる情報発信型のWebサイトに転換する――セミナーに登壇したWeb担当者たちは、CMS導入に成功した効果をそう感じているようだ。

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