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| 最近のお出かけセット。筆者がクラウド系モバイルPCのメインマシンとして選んだのは「ThinkPad X200s」の最上位機種だ |
筆者は今から10年以上の昔、IBM(現Lenovo)にて、モバイルPC「ThinkPad」の商品企画や戦略を約10年間担当していた。
モバイルPCと言っても、その後、IBMのメインストリームとなった上位の高級機種ではなく、RIOS SYSTEM※と共同開発した、日本のモバイラーのための「ThinkPad 220」や「ThinkPad 230Cs」、「ThinkPad 245」(通称、チャンドラ)といった製品だ。
当時、これらのサイズの小型モバイルPCは、特別に「サブノートPC」と呼ばれていた。しかし企画する側は、その名前に反して、ヘビー級のモバイルPCと肩を並べられる機能を何とか盛り込もうと考えて日々悪戦苦闘していたのだ。
そうした経験から得たものは、ソフトウェアにせよハードウェアにせよ、「高性能化」という当たり前の目的に加えて、「標準化」を目指すことが大切という考え方だ。
標準化は、「特定のモノとの従属関係を解消する」とも言い換えられる。ハードウェアでは、ソケット化されたCPUやSDメモリーカード、PCカード、USB端子などがその一例だ。ソフトウェアでは、大昔は装置やOSからの独立から始まって、現在はウェブアプリケーションやサービスによるクライアントの壁を越えたクラウド・サービスが相当するだろう。
最終的に、これらすべては「商品やサービスの低価格化」につながって、市場は一時的に超拡大する。すでに成熟した国家では、いずれバブルが崩壊し、IT産業は特殊な成長指数をもつ成長産業からオーディナリーな産業へと変化して行くだろう。
※RIOS SYSTEM ライオスシステム。リコーと日本IBMの共同出資会社
シンクライアントは「衝動買い」と相性バツグン
まあ、そんな聞いたような蘊蓄はともかく、こういう混沌とした時代には何でも言いたい放題になる傾向が強い。PC業界で言えば、「ネットブックだ!」「ウルトラモバイルだ!」「ミニノートPCだ!」といった具合だ。
当初、ネットブックは、シンクライアント的なコンセプトと気概を持ってスタートしたはずだった。ユーザーが触る端末側にはアプリケーションやデータを保存せずに、ウェブサービスを活用する。ネットブックはそんな方向で進化していくのかと思いきや、昨今では、単に「安いモバイルPC」としか説明のしようがない商品になってしまった。
そもそもシンクライアント的(クラウド的ともいえる)か否かということは、ハードウェアの問題ではない。いつでもどこでもつながるネットワーク環境を用意して、ネットワーク上でアプリケーションやサービスを活用するというワークスタイルなのだ。
このスタイルを実現する上で肝心なのは「特定のモノとの従属関係を解消する」、すなわちハードウェアへの依存度を限りなく低くするということ。クライアントとしてネットブックを使おうが、ミニノートを使おうが関係ない。
そしてシンクライアントは「戦略的衝動買い」と相性が抜群だ。普段から特定のハードウェアに依存しない環境を整えておくことで、絶対に買いたいパソコンなどが突如出現しても、(経済的に許せば)前後の見境なしに一線を越えられる。
そういう明るい未来を実現するために、筆者はクラウドな環境を整えた(関連記事)。そして、何十代目かになるクライアントPCとして「ThinkPad X200s」を「戦略的衝動買い」した。
![]() | ThinkPad X200sの最上位機種。昨年春に購入した「ThinkPad X300」(SSD)からの買い換えになるので、考え方によっては、スペックダウンかも……。しかし300gの軽量化は、毎日、PCを持ち歩くモバイラーにとっては大きな差だ |
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![]() | クラウド系モバイルPCでは「ネットワークの活用」がキモ。筆者はイー・モバイルのHSPA+とUQコミュニケーションズのWiMAXを比べたが、なぜか筆者の自宅ではUQ WiMAXが接続できないことが多かった……。結局、より確実につながるHSPA+を選んだ |
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「戦略的衝動買い」とは?
そもそも「衝動買い」という行動に「戦略」があるとは思えないが、多くの場合、人は衝動買いの理由を後付けで探す必要性に迫られることも多い。
それは時に同居人に対する論理的な言い訳探しだったり、自分自身に対する説得工作であることもある。このコラムでは、筆者が思わず買ってしまったピンからキリまでの商品を読者の方々にご紹介し、読者の早まった行動を抑制したり、時には火に油を注ぐ結果になれば幸いである。
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