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池田信夫の「サイバーリバタリアン」第80回

インターネットも使えない選挙制度は日本の恥

2009年08月19日 12時00分更新

文● 池田信夫/経済学者

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ウェブサイトの更新は「文書図画の頒布」なのか

 衆議院選挙が公示された。しかし候補者のウェブサイトは、選挙が始まると更新できなくなる。公職選挙法第142条で「選挙運動のために使用する文書図画は、次の各号に規定する通常葉書並びにビラのほかは、頒布することができない」と規定しているからだ、というのが総務省の説明だ。

参議院のサイト 民主党の藤末健三参議院議員によるTwitterを用いた選挙運動についての質問では「公職選挙法第142条に規定する「文書図画」とは(中略)コンピュータ等のディスプレイ上に表れた文字等を用いた意識の表示は、同条に規定する文書図画に該当する。」といった内容の答弁が行なわれている。また各政党のサイトでは党首の動向は更新されるなど混乱した状況となっている

 しかし公選法には、インターネットについての規定はないので、サイトの更新が「文書図画の頒布」にあたるかどうかは法的には不明だ。選挙管理委員会の「行政指導」によって各候補者とも自粛しているが、このような口頭の指導には法的拘束力はない。地方選挙では、選挙期間中もウェブサイトを更新した候補者が選管から「注意」を受けたことが何度かあるが、注意を無視しても行政処分を受けた例はなく、裁判所の判決も出ていない。

 そもそもウェブはユーザーが情報を取りに行くプルのメディアだから、サイトを更新するとき、候補者は文書を頒布しているわけではない。それは、いってみれば選挙事務所に張ったポスターを張り替えるようなもので、候補者がプッシュするビラとは違う。少なくともそれは解釈の分かれる問題であり、選管には正しい法解釈を決める権限はない。それは裁判所の仕事である。

 これは官僚が裁判官もかねて法律の解釈まで独占する「官治国家」日本の象徴である。「官僚主導の政治を打破する」ことをマニフェストに掲げている民主党は、公示後も各議員のウェブサイトを更新し、選管から注意を受けたら裁判で争って、問題を法的に決着させてはどうだろうか。

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