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「祭り起こせばいい」堀江貴文、ネットと政治を語る

2009年08月17日 16時00分更新

文● ASCII.jp編集部

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本当にニコ割アンケートは信頼出来るの?

津田大介氏。今回はパネリストではなく、司会として参加している

―― 始めはニコ割アンケート「ネット入り口調査」の結果について。ニコニコ動画ユーザーを対象に比例選挙区での支持政党に関するアンケートを実施したものです。

 40%が自民党、31%が民主党となり、新聞やテレビでの結果とはかなり異なっています。日経新聞によれば民主が43%、自民が26%でした。

 この結果がネットユーザーだけに偏っているというのはもちろんですが、一方で新聞はRDD(Random Digit Dialing)という、ランダムに固定電話をかける調査方法を採用しています。日中に固定電話に出られるのは主婦くらいで、若者は固定電話を持っていないケースも多いですね。

田村義保(以下「田村」) RDDは9ケタや10ケタの電話番号の下2ケタをランダムに発生させる方法です。固定電話を持っていない方は対象にしていませんが、それを新聞社が特に書くことはありませんね。

統計学に詳しい田村氏。新聞の、電話調査による世論調査の方法には曖昧なところがあるという

堀江貴文(以下「堀江」) なぜ固定電話(を対象に)しか調査をやらないんです? わざとですか?

田村 新聞社の論文によると、総務省が局番の一覧のリストを作っているんです。どの局番がどの地域に振られているか、それを参考に下2ケタだけをランダムにしている。ケータイの場合はそれが難しいんですよ。ただ、やはり世論調査で正しい日本人の支持率を割り出そうと思うと、年齢・地域・性別の分布が日本全体の縮図になってなければいけないんですが、それは保障されていない。

堀江 要するに、データはマユツバってことですか? 今の話だとまったく正しくないってことですよね。

田村 いや、取れる範囲では取っていて、努力はしてるという話です。


―― インターネットの世論調査も信頼できるところがあり、今までの調査にも曖昧なところがあるということですが、逆に「ニコ割アンケート」の信頼性はどう感じていますか?

岸博幸氏。日本は高齢者層が政治の中心課題となる「シニア民主主義」であるとした

田村 回収率も高いですし、電話の場合、オペレーターの誘導によって答えが変わりかねないという点があります。インターネット調査の場合は誘導がないので、その面は優れていると思っています。

堀江 インターネットと新聞で、なぜこんな結果が出ているんですか。そこが知りたいんですが。まったく逆じゃないですか。

田村 一般論でいうと新聞各社の調査を見てみると、5社分くらい見ると分かりやすいんですが、A新聞ではいつもB新聞より内閣支持率が低いというのがあるんですが、それがつねに一定なんですよ。

岸博幸(以下「岸」) 新聞を読む人も投票に行く人も、年齢層が高い。それが先ほどの固定電話の話につながります。アメリカを見ると4大ネットワーク局、日本で言うキー局の平均視聴者年齢が50歳なんです。新聞はもっと高い。それに比べるとネットはある種、世論の先行資料にになりうる。日本は高齢者中心の「シニア民主主義」なんですよね。若い人の世論と年がいった人の世論は違うのが当たり前の状況です。

田中愼一(以下「田中」) 日本ではまだマスメディアの影響が大きいと思っています。オバマ大統領の場合、自分をメディア化し、マスメディアが彼を追いかけるという状態を作った。日本の場合はまだマスメディアが作る世論が大きく、それは偏っているケースも多い。ネットの場合は「参画」が関わってくる。マスメディアが作る世論より、ネットが作る世論の方が偏りの少ないメディアになりやすいのでは。

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