なぜかキャンセルされたGT212コア
ここからは今後の動向について解説するが、正直、非常に読みにくいものになっている。まず本来であれば、2009年6月くらいに「GT212」と呼ばれる新しいコアの製品が投入されるはずだった。このGT212コアは、以下のような特徴を持っているとされる。その一方で、シェーダーの構成は「G200/G200bとほとんど変わらない」と言われていた。
- シェーダーがDirectX 10.1に対応
- TMSCの40nmプロセスを利用
- GDDR5メモリーを採用
GT212も基本的にはG200の発展型であり、来るDirectX 11世代に備えてシェーダーの構造をDirectX 10.1対応に引き上げる(G200/G200bはDirectX 10対応のまま)とともに、いよいよGDDR5メモリーを本格採用することで、メモリー帯域を引き上げるという話だったようだ。
シェーダーの数が増えない(Stream Processorが256になる、という話もあったが真偽は不明)から大きく性能が伸びる事はないが、それでもプロセスの微細化にともなって動作速度が多少向上し、その分性能が上がることが期待されていた。
このGT212の話を全部過去形で書いているのは、当初は今年2月にテープアウト(設計の完成)と言われていたものの、その話がなくなってしまい、事実上キャンセルになってしまったもようだからだ。NVIDIAからは、GT212のキャンセルに関して一切発表がない(そもそもGT212の存在そのものが公式発表されていない)から、いかなる理由によるものかは不明だ。
ダイの製造後にキャンセルという話ではないあたりからすると、「作ってみたら動かなかった」といった理由ではないだろう。例えば、DirectX 10.1への対応が予想以上に大変で、G200と同じく統合(Unified)シェーダーを240個集積してみたら、ダイサイズが肥大化しすぎたとか、そういうあたりではないかと筆者は想像しているが、正確なところは不明である。
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