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ネットと家族はどちらも大事――細田守、サマーウォーズを語る

2009年08月11日 16時00分更新

文● 宮坂琢磨

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アニメとネット、コミュニティの重なりは

―― 濱野さんにお聞きしたいのですが、私がネットの仕事を始めてから、アニメのコミュニティとネットのコミュニティが重なると感じるのですが、それはなぜですか?

濱野 これはあれですよね、なぜネトオタ(ネットオタク)とアニオタ(アニメオタク)は同じ「キモオタ」なのかってことですよね(笑)。これは、身も蓋もないことをいえば、現実と離れているからですよね。今回「サマーウォーズ」で面白かったのは、「アニメ」という写真とも映画とも違う虚構の世界の中で、OZという虚構の空間を表現したことでした。

「アニメ」と、「アニメをネットで語ること」の温度差を語る細田氏(左)と濱野氏(中央)

細田 これはアニメを作ってる側からの発言なんですが、以前、アニメのイベントに参加したことがあるんです。そこで、アニメ好きな人たちに呼ばれているはずなのに「この人たちは本当にアニメが好きなのかな」って感じたんです。

 それよりも、アニメをネタにしてみんなとしゃべりたい、誰かとコミュニケーションをとりたい、アニメはそのネタになってるだけなのではないか。話題は別にアニメじゃなくてもいいんじゃないかって感じるんです。僕なんかは、本当にアニメが好きでこの仕事をしているので、一種さみしさを感じますね。


濱野 いま細田監督がおっしゃったような人々が、オタクと自称する人々の中にワラワラいるわけです。私が調査していると、今の若い世代は、みんなテレビを見ないで、ニコニコ(動画)やYouTubeばかりを見ている。

 動画サイトではアニメをネタとしたもの(動画)が多いので、アニメがメインストリームの文化と感じている若者も多い。その意味では、アニメ的なものを見るということが、コミュニケーションの種になりやすいといえるんじゃないかと思います。

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