このページの本文へ

前へ 1 2 3 4 次へ

インフラ&ネット技術の今と未来 第4回

インターネットの名前はどうなるのか?

ICANNの動向から見たドメイン名とDNS

2009年09月17日 09時00分更新

文● 渡瀬圭市

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

効果的な情報収集をするために

 ここまで急ぎ足で現状のトップレベルドメインを見てきたが、そのいずれも「今後はトップレベルドメインは増える」ということを示している。また、運用実験中の国際化ドメイン名が使われるようになれば、その数は一挙に倍以上になるかもしれない(そんなに増えることが利用者の利益になるかという点には疑問符が付くが……)。

 ドメイン名は、「人間に対してわかりやすくしたインターネット上の住所」であることを考えると、そこには覚えやすさや親しみやすさ、ブランド価値といった要素も加わってくる。しかし、先に述べたように、トップレベルドメイン名は不変ではない。もし、ドメイン名を語呂合わせで決めたりすると、あとで大きなしっぺ返しがくるかもしれないのだ。

 そして、DNSについていえば、今後はますます高い安定性や安全性が求められるようになる。今までは「動くことが重要」といった面があるかもしれないが、これからはその方針を切り替えていかなくてはいけない。金銭目当ての犯罪組織は、真剣に攻撃を仕掛けてくるからだ。

 では、ドメイン名やDNSに関して最新情報を得るにはどこを見ればいいのだろうか。その答えはICANNやIETFのサイトにあるが、日本語で情報を得たい場合には日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)かJPRSのサイトを見ることをお勧めする。個人的には、JPRSが発行しているメルマガ「FROM JPRS」の増刊号がよい。

 内容的には技術面からの切り口が多いが、たとえば、インターネット技術の標準化を推進する団体であるIETF(The Internet Engineering Task Force)における議論や、今後の技術の方向性などをきちんと解説してくれる。もちろん、ICANN会合のレポートもある。アーカイブが「http://jpinfo.jp/mail/backnumber/event/」にあるので、一度ご覧になってみてはいかがだろうか。こうした情報源をまめにチェックすることで、とても有意な情報収集ができるはずだ。

図2 ICANNの組織構成について

筆者紹介:渡瀬圭市(わたせ けいいち)


フリーライター。インターネットの黎明期からのユーザー。難しい技術をやさしく説明することに日々奮闘中。


前へ 1 2 3 4 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事