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比類なき定番「ATOK 2009 for Mac」

2009年07月30日 21時30分更新

文● 池田冬彦

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ことえりを圧倒する珠玉の変換精度

 ATOK 2009とLeopardのことえりの変換精度を比較。新聞記事と技術論文から500文字程度の長文を抜き出し、1文ごとに変換。再変換が必要な回数や最終的に変換できなかった個所の数などで、ATOKの精度がことえりを上回った。

ATOKとことえりの変換精度
エラー個所 スペースキーを押した回数
全国紙のコラム ことえり 13 23
ATOK 8 15
技術論文 ことえり 6 27
ATOK 1 1
約500文字の新聞コラムと技術論文の双方で、ATOK 2009とOS X 10.5付属のことえりで変換精度を比較すると、ATOKが圧勝。誤変換はもちろん、再変換の少なさでも大きな差をつけた。ここまで差があると、長文作成の手間やストレスも大きく違ってくる

 ATOKとことえりの変換精度が大きく異なる理由は、数詞を含んだ名詞や俗語、トレンドの技術用語といった要素をATOKが正しく変換する一方で、ことえりは文節を認識できずに変換できなかった点にある。

数紙を含んだ名詞の変換例。ATOKは正しく変換できたが、「四月期調査」をことえりは数詞を含むひとつの名詞として認識できない。なお、ことえりは「四月期」だけの変換もできなかった

俗語の変換例。ことえりは「フル充電」だけであれば正しく変換できたが、前後の文に引っ張られて、「降る」「充電して」と誤った。ATOKは文脈を正しく捉えて影響を受けなかった

技術用語の変換例。ATOKは「仮想化」「技術」と単語を正しく認識したが、ことえりでは「仮想化」という言葉自体が解釈できない。ことえりでは、「仮想」と「化」を別々に入力する必要があった

 ことえりもこま切れに変換していけば最終的には入力できるが、かなりの変換操作が必要だ。一度ATOKの変換を経験するとことえりには戻れないだろう。ATOKとことえりの変換精度の差は依然大きい。


【Conclusion】
○ 変換精度の高さはピカイチで、ストレスが少ない。各種入力支援や辞書ソフトとの連携機能に慣れた体では、もう「ことえり」には戻れない。
× 「かな」キーの二度押しで入力済みの欧文をかなに再変換可能になったのはいいが、「英数」キーの二度押しでかな→欧文にも再変換させてほしい。


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