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比類なき定番「ATOK 2009 for Mac」

2009年07月30日 21時30分更新

文● 池田冬彦

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ATOK 2009 for Mac 【SPEC】
開発/販売元●(株)ジャストシステム 価格●1万4490円(パッケージ版)、1万1025円(ダウンロード版)、8400円(アップグレード版) 備考●通常版やウィンドウズ版とのセットなど多数のラインアップを用意。詳細はウェブサイト参照
http://www.atok.com/

対応システム●OS X 10.4.11以上 対応機種●Powe rPC G3以上、またはインテルCPUを搭載したMac

【COMMENT】日本語入力ソフトのさらなる可能性を感じさせる。ことえりに大きな差をつけた現状だが、慢心せずに進化し続けてほしい。


変換エンジンの進化に加えて
日本語と英語の入力を強力に支援

 日本語入力ソフトとして長い歴史を持つATOKのバージョン2009が発表された。現在、Mac標準の「ことえり」と競合する唯一の市販日本語入力ソフトであり、バージョンアップのたびに進化する変換エンジンの精度には特に定評がある。今回は、オプションの専用辞書がセットになった[プレミアム]版を紹介する。

 まずは、旧バージョンからの機能も含めてその特徴を概観しよう。辞書機能では文字入力時に専用ウィンドウを開いて意味を素早く確認できる。変換確定前に確認できるため、ほかの辞書ソフトなどを利用していちいち調べる手間は不要だ。

ATOK 2009 for Mac

変換候補に続いて辞書のウィンドウが現れて意味を確認できる。複数の辞書に登録されている場合は、タブ表示で複数の結果が現れる。辞書ウィンドウは配色が茶系に変わった

 プレミアム版には、「明鏡国語辞典」「ジーニアス英和/和英辞典」「ロングマン英英/英和辞典」などが収録されているため、日常の利用では十分だろう。2009ではウィンドウが「タブ」表示に対応しており、ショートカットキーやマウスクリックで切り替えられる。

 入力した言葉の意味に近い言葉を変換候補として一覧表示する「連想変換」機能も特徴のひとつ。例えば表現をより固く、もしくはより柔らかくしたいのに言い換えが思い浮かばない場合、これを使いこなせば確実に表現力がワンランクアップする。2009では連想変換の候補として収録する、あすとろ出版(株)の「日本語使いさばき辞典」が改訂増補版に更新されている。

ATOK 2009 for Mac

「連想変換」機能では、入力した言葉に近い意味の別の言葉をリストアップする。変換時と同じく、その意味を電子辞書で同時に調べることも可能だ

 また、独自の変換エンジン「ATOKハイブリッドコア」は、話し言葉の変換にも力が入れられており、長文の変換でも文節を正しく認識する。

ATOK 2009 for Mac

話し言葉の解析は、全国の方言に対応しており、ブログや友人とのメールをはじめとしたフランクな文体で文章を書く際に重宝する。また、俳句などの作成に有効な文語モードもある

 2009では、操作性の向上も果たしている。ひらがなモードのつもりで英字を入力してしまった場合に、「かな」キーの二度押しでひらがなに変換可能になった。ことえりでその利便性を覚えたユーザーにはうれしい機能だ。

ひらがなを入力するつもりで英字を入力してしまっても(左)、これまでのように打ち直す必要はない。気づいた時点で「かな」キーを二度押せばひらがなに変換され(中央)、続けてスペースキーで漢字に変換できる(右)

 2009ではこのような進化に加えて、後述する英語入力のサポートも大幅に強化されている。また、「ATOKダイレクト」でHTML表示にも対応。これは、プラグインをインストールして辞書や機能を拡充する仕組みのこと。PerlやRuby、Pythonなどの言語に対応しており、ウェブサービスやデータベースなどの情報を辞書ウィンドウと同じ感覚で参照できる点が特徴だ。

 このように、ことえりユーザーはもちろん、従来バージョンのユーザーにとっても導入価値は高い。2009はウェブページ作成やブログなどのパーソナルな用途から、ビジネス文書の作成や原稿作成といった業務用途まで、あらゆるシーンで威力を発揮する。9月8日には、デモ版や導入しやすい月額版も用意される予定なので、ぜひ実際に触ってみよう。

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