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ウイルスバスター コーポレートエディション10を9月10日発売へ

クラウドで負荷を軽減する企業向けウイルスバスター

2009年07月28日 06時00分更新

文● 金子拓郎/TECH.ASCII.jp

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7月27日、トレンドマイクロは企業のクライアントPC向けウイルス対策ソフトウェア「ウイルスバスター コーポレートエディション10」を発表した。トレンドマイクロのサーバ上でウイルススキャンを行なうクラウド型スキャンを併用するのが特徴だ。価格(税別)は1クライアント1900円など(1000クライアント購入時)。受注開始は9月10日となる。

パターンマッチングの問題点をクラウドで解消

 同社の発表によると、現在1時間におよそ1500個も未知の不正プログラムが発生しており、これに対処するために配信されるパターンマッチング用のパターンファイル(ウイルス定義ファイル)のサイズは年々肥大化。配信時におけるネットワークリソースへの圧迫やPCのメモリ使用量の増加など、セキュリティを保つための企業の負担は増え続けているという。

 この問題の解決方法としてウイルスバスター コーポレートエディション10で採用されたのが、新しいファイル検索機能「スマートスキャン」だ。スマートスキャンでは、ウイルス対策を行なうクライアントPCやサーバには、最小限のパターンファイルだけを配信する。そして、疑わしいファイルが発見された場合には、そのデータを「スキャンサーバ」に送信し、このサーバでウイルススキャンを行なう。

スマートスキャンによるクラウド/クライアント連携イメージ

 スキャンサーバには2種類あり、まずPCが社内にある場合は自社内に設置する「ローカルスマートスキャンサーバ」を利用する。そして、ノートPCを持ち出した場合など社外の環境からは、インターネット経由でトレンドマイクロが運営するクラウド内にある「グローバルスマートスキャンサーバ」を利用する。経路上での盗聴を防ぐため、ローカルスマートスキャンサーバとの通信はデータを暗号化した上でHTTPを使って通信し、グローバルスマートスキャンサーバとの間はHTTPSで安全な通信路を確保する。

 こうして、詳細なウイルス情報を持つパターンファイルの配信先をスマートスキャンサーバだけに絞ることで、帯域やメモリに使用量を抑えられる。クライアントPCに配信されるパターンファイルのデータ量は1日あたり10KB未満。疑わしいファイルが発見された場合のみスキャンサーバに問い合わせるため、従来型ののパターンファイル利用時と比べ、1日のネットワークトラフィックを6割以上削減できるという。

 その他の新機能としては、ここ数年増加しているUSBメモリ経由のウイルス感染への対策ともなる「デバイスコントロール」を搭載する。これはOSから「ドライブ」として認識されるデバイス(USBメモリ、光ディスク、フロッピーディスク、ネットワークドライブ)のアクセス制御を行なう機能だ。これにより、USBメモリ接続時のファイルの自動実行を抑制やユーザーごとにデバイスへの書き込み/読み込み、それぞれについて可否を設定するなど、柔軟な利用権限の設定が行なえる。

(次ページ、「オプションとして新型ファイアウォールも搭載」)


 

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