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Wordとも連携!Silverlight 3は本気バージョン (1/2)

2009年07月16日 21時16分更新

文●小橋川誠己/Web Professional編集部

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マイクロソフトのスコット・ガスリー氏

基調講演に立つ米マイクロソフトのスコット・ガスリー氏。デベロッパープラットフォーム コーポレートバイスプレジデントだ

 “バージョン3の法則”はどうやら本当だったようだ。7月16日、東京都内で開いたWebデザイナー/デベロッパー向けイベント「ReMIX Tokyo 09」で、マイクロソフトは米国で先週ローンチしたばかりの「Silverlight 3」関連記事)を国内で初お披露目した。

 大半の時間をデモに割いた午前中の基調講演では、RIA(リッチ・インターネット・アプリケーション)の先駆者「Adobe Flash」を意識した新機能が次々と飛び出し、マイクロソフトのRIAにかける強い意気込みが伝わってきた。


猛スピードでFlashのキャッチアップ狙うSilverlight 3

 「疑似3D描画機能」「ビットマップ&ピクセルAPI」「GPUアクセラレーションのサポート」――。これらはFlash Player 10の新機能(関連記事)ではない。いずれもSilverlight 3の新機能だ。ほかにも、動画再生時にユーザー側のCPU負荷や帯域に応じて画質をリアルタイムで調整する「スムーズストリーミング(Smooth Streaming)」、ClearTypeのサポートに代表される「テキストまわりの強化」「H.264のサポート」など、“Flash対抗”とも受け取れる機能が目につく。

基調講演で披露されたデモンストレーション。新しいAPIを利用すれば、静止画や再生中の動画にもエフェクト処理をかけられる。疑似3D表現もサポートした


 究極は、Adobe AIRをイメージさせる「アウト・オブ・ブラウザー(out of browser)」だ。アウト・オブ・ブラウザーは、Silverlightアプリを文字通り“ブラウザーの外”、つまりデスクトップ上で実行できる機能。アプリケーションはWebブラウザー上から簡単にインストールでき、自動更新にも対応している。ネットワークの接続検知機能を使い、オフライン状態でユーザーが入力しておいたデータを、オンラインになった途端にサーバーに送る、といったアプリも作れる。

ヤフーが開発中のSilverlightアプリ。アウト・オブ・ブラウザー機能を使い、デスクトップ上で動作する。Yahoo! オークションの商品を検索を”見える化”したり、登録しておいたキーワードの商品データを自動的に取得したりできる。自分が所有している類似商品をオークションに出品した場合の総額を計算する機能もある


 実際に基調講演で事例として紹介されたYahoo! オークションのウィジェットは、言われなければFlash/AIRアプリにしか見えなかっただろう。奇しくもAdobe AIRのローンチの際に披露された事例は、米イーベイのオークションウィジェットだった(関連記事)。ヤフーとイーベイのウィジェットは見た目も機能もまったく別物ではあるが、それぐらい、SilverlightとFlash/AIRは急接近しているように見えるのだ。

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