まずは世界観をイメージ化すること
次はディテールを詰めてデザイン化すること
ひとしきり行き詰ったところで頭を使い、世界観から背景のイメージを膨らませていくことに。細部まで描き込んだ椅子を削除し、「黒猫の女の子→ファンシーで異世界」というイメージを基底にディテールを詰めていく。画面左には「リアル世界とイラスト世界をつなぐ」というイメージのドアを描き、右には機械類のガラクタを散りばめた。
イラストのイメージが決まったら、あとはひたすら描き込んでいくだけ。ちなみに画面左側、女の子の左に伸びている線は、何を描くかが決まっていなかった「ゴミの線」だが、構図全体のバランスを整えるための「メモ」としてそのまま残してある。これが画面構成に生きてくるのだ。
初めは画面左奥に大きなぬいぐるみを置いていたが、これまたあっさりと削除。そのままだと密集感と圧迫感があるため、見ていて息苦しい画面になってしまうため、奥行きを出すことに。奥までつながる通路のようなものを描いてスケールを表現していく。
手前の大きな十字架も、立体感の演出に一役買っている小物の1つ。左右から徹底的に余白を埋めるように、細かい小物を描き込んでいく。ここまで細かいものを書き込むときは、さすがにレイヤー分けをして「試し配置」をしてみることもある。
背景も白と黒のバランスを意識し、模様を描くようなバランス感覚で描き込んでいく。電気コードや交通標識を描いていくことで、画面全体の情報量をみっちり増やしていく。画面上部などのフレームを黒く塗りつぶし、キャラクターのいる中心部分と区別してメリハリをつける工夫もしている。
先ほど大きなぬいぐるみを削除してしまったが、「ぬいぐるみ」は世界観に必要な要素。そこで、ドアの向こうにたくさんのぬいぐるみを詰め込んでいくことに。「大きいのがダメなら小さいのをいっぱい描こう!」という発想とのこと。同じように、足元の床にもこれでもかと細かく素材を散りばめていく。
最後に、ずっと生足で描いていた足元を黒いロングソックスに変更。これは趣味……ではなく、試しに「履かせて」みたところ、黒で画面が締まったので活かしていくことにしたのだ。これで大体の下書きが完成!
*次回はPhotoshopで細かい体の修正+書き込みに移っていく。Photoshopユーザーなら思わずメモしておきたくなる、役立ちツールの話が続々と出てくる予定なのでお楽しみに。
この連載の記事
-
第8回
トピックス
プロの犯行現場|Photoshopで水着美女を描く!【彩色編】 -
第7回
トピックス
プロの犯行現場|Photoshopで水着美女を描く!【線画編】 -
第6回
トピックス
プロの犯行現場|Pixiaで秋のミニスカ娘を描く【彩色篇】 -
第5回
トピックス
プロの犯行現場|Pixiaで秋のミニスカ娘を描く【線画篇】 -
第4回
トピックス
プロの犯行現場|ネコ耳&制服美少女を描くっ!【Photoshop編】 -
第2回
トピックス
プロの犯行現場|美少女イラストをSAIで描く【彩色編】 -
第1回
トピックス
プロの犯行現場|美少女イラストをSAIで描く【線画編】 -
トピックス
ニコニコ動画講座の神職人を取材してみた〈目次〉 - この連載の一覧へ