ルータの障害対策には、ハードウェアのホットスタンバイとコールドスタンバイがある。数分以内の復旧が必要ならホットスタンバイだが、もう少し時間がかかったも大丈夫であれば、コストの安いコールドスタンバイを選択してはどうだろうか。復旧まで時間がかかるコールドスタンバイだが、最近ではオートコンフィグ機能が広く使えるようになり復旧時間が短縮され手間も軽減されるようになってきたのだ。
ルータの障害対策
通信ネットワークが企業活動に必須となった現在、障害によるシステムダウンはビジネスチャンスの喪失に直結する。しかし、絶対に壊れないハードウェアは現実にはあり得ないので、通常はルータの障害に備えて交換用の予備機をあらかじめ用意しておく「ハードウェア冗長化」と呼ばれる手法が用いられる。この手法には、通常時の予備機の状態により「ホットスタンバイ」と「コールドスタンバイ」の2つがある(図1)。
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| 図1 ネットワーク機器の冗長化 |
まずホットスタンバイは、「機器が熱を持っている状態で(Hot)待機している(Standby)」という意味で、同じ構成の機器を本番系と予備系の2セット設置し、本番系だけでなく予備系の機器も電源オンの状態で待機させておく手法を指す。つねに本番系と予備系とが同期を取ったり生死状態を互いに確認することにより、本番系に障害が発生しても自律的に短時間の間で予備系へ処理が引き継がれる。後述のコールドスタンバイに比べて、業務の停止時間が短く済み信頼性(可用性)は高い。
ホットスタンバイでは、本番系のルータと予備系のルータは1対1でひもづけて同期する。そのため、予備系には本番系と同じ数のルータを用意する必要がある。こうしたことからホットスタンバイではシステム全体の費用も高くなってしまうデメリットがある。
次にコールドスタンバイは「機器が冷めている状態で(Cold)待機している(Standby)」という意味で、同じ構成の機器を本番系と予備系の2セット用意し、予備系の機器は電源オフの状態で待機させておく手法を指す。本番系に障害が発生した場合には、管理者やベンダーのCE(Customer Engineer)の手で予備系の機器へ交換することで処理を引き継ぐ。前述のホットスタンバイに比べて、本番系と予備系の同期が不要なためシステム全体の費用は安いというメリットはあるが、予備機への交換や起動の時間を必要とするため業務の停止時間が長くなり、信頼性(可用性)は低いというデメリットがある。
ネットワーク管理者にとって、「ホットスタンバイとコールドスタンバイのどちらにすべきか」は非常に悩ましい問題だ。もちろん、電力・ガスなどのライフラインの制御システムや金融機関の決済システムなど、数分間のシステム停止でも社会的に多大な影響が生じるネットワークでは、ルータをはじめとするネットワーク機器はホットスタンバイがあたり前だし、通信回線も二重化・三重化され万全を期している。しかし、一般企業の、特に社内で閉じた業務システムのネットワークでは、「システム停止時間をどれだけ許容できるか」と「どれだけの費用をかけることができるか」の兼ね合い、すなわち「費用対効果の観点」により決定すべきである。
(次ページ、「コールドスタンバイの検討事項」)
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