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WILLCOM D4にWindows 7を入れたら!?

2009年07月11日 20時32分更新

文● 山田道夫

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WILLCOM D4をWindows 7 RCで使う

 発売以来、1年以上が経ったWILLCOM D4(以下、D4)だが、筆者はOSにWindows Vista(以下、Vista)を使用したまま特に不満なくD4を使ってきた。逆に言えば、Vistaで不満になるような使い方をしてこなかったとも言える。ちょっと重い動作や時間がかかりそうなことは、なるべくD4では行わないようにしていた。D4が得意なことやD4でしかできないことなどに利用してきた。出先で立ちながらの利用とか、ある程度混んだ電車の中での利用などに限定した使い方をしていたことになる。

WILLCOM D4は、非常に独特で、どこでも使うというのには特化した小型のノートパソコンだが、1GBのメモリでVistaを利用しているため、やや動作が軽快ではないという点もあった。

 確かにWindows XPをインストールすれば、さらにOSが占める容量は軽くなり、快適な使い方が可能になるが、そこまですることはないな、と正直思っていた。いや、細かなインストール作業がめんどくさかっただけかもしれない。だが、そういった状況を一変させるかもしれない事態が起きた。Windows 7のベータ版がリリースされ、さらにWindows 7 RC(Release Candidate、リリース候補版)が登場したのだ(ダウンロードが可能なのは、2009年8月25日まで)。

 ダウンロードできるのはDVDイメージファイル(ISOファイル)だ。このためインストールするためにはDVD作成環境が必須だ。インストールに必要な最小要件は、1GHz以上のCPU、1GB以上のメモリ、16GBのハードディスク領域などで、一応、D4は基準を満たしていることになる。なお、Windows 7 RC版の有効期限は2010年6月1日までだ。

 Windows 7はVistaのアップデート版ともいうべきで、Vistaに比べてリソースをあまり利用せず、D4の1GBのメモリでも十分軽快に動作するという。そこで、D4にWindows 7 RCをインストールしてみた。また、実際に簡単なベンチマークを行って実際の動作の軽さを確かめてみた。

 参考にしたのはD4のまとめWikiである「Willcom D4 まとめ」の関連ページなどだ。Windows 7 RCへのアップデートは、Windowsのアップデートをしたことのあるユーザー、ドライバのアップデートをしたことのあるユーザーであればさほど難しい点はない。ただし、D4独自の部分もあるので、注意すべき点もある。上記のサイトを読んで、理解できないと感じたユーザーは無理にインストールする必要はない。

 Windows 7 RCの利用後は大変快適になったと筆者は感じているが、Vistaのままでも十分実用的に使えると思うからだ。もしかしたら、今後、シャープなどがWindows 7へのアップデートスケジュールを発表するかもしれないし。(可能性がどのくらいあるかはまったくわからないが。)


インストール前の準備

 新OSに変更する場合に限らないが、何が起きるのかわからないので、環境を大きく変更する場合は、とりあえずバックアップはとっておいた方がいいだろう。また、プロダクトリカバリDVDはまだ作成していなかったら必ず作成しておこう。

「スタート」メニュー→「すべてのプログラム」→「プロダクトリカバリDVD作成」

 プロダクトリカバリDVDの作成は、上記で可能だ。なお、作成にはDVD-Rに書き込み可能なドライブと、DVD-Rが3枚必要だ。DVD-Rに書き込むには、機種によってはUSBポートを2つ利用したり(D4本体には1個しかUSB(それもmicroUSB)スロットしかないので、ポートリプリケータが必須)、ACアダプタが必要な場合もある。ユーザーの状況によっては、準備や出費が必要な場合もあるだろう。

 筆者はめんどうだったので、一度リカバリDVDから初期状態に戻してからWindows 7 RCをインストールした。そのままWindows 7 RCをインストールすると、システムは削除されるようだが、古いソフトウェアがそのまま場所を変えて残ってしまうため、それらの管理をやっかいに思い、一から環境を再構築することにした。

リカバリDVD作成の画面。手順に従えば、時間が多少かかることを除くと、あまり複雑な作業ではない。

 なお、リカバリDVDから起動させるには、BIOSの設定を変更する必要がある。「取扱説明書基本編」の127ページ以降を参考にするといいだろう。ここで起動ディスクをDVDに変更しておく必要がある。手順は以下の通り。

 電源を入れ、画面の左下に「<F2> to enter System Configuration Utility.」と表示されたらすぐに「Fn」+「2」キーを同時押しする。「→」キーまたは「←」キーでカーソルを「Bootメニュー」に移動させる。「BOOT DEVICE PRIORITY」で「1st boot device」を「USB CD-ROM」に変更する。「Exit」タブへ移動し終了させる。

「BOOT DEVICE PRIORITY」を変更しよう。「USB CD-ROM」に変更する。赤い行が変更した個所だ。

 WILLCOM D4ではクリーンインストールする場合、他のパソコンとは異なったドライバをインストールする必要があったりはするが、基本的には通常のインストール手順に従い、足りないドライバを後で追加するといった考え方になる。そのため、今回は上書きインストールの方が簡単だと考え、上書きインストールした。筆者の利用している環境そのままだと、ハードディスクドライブに空き容量が足りないため、一度リカバリして、初期状態に戻してから実行した。なお、先ほど紹介した「Willcom D4 まとめ」にはクリーンインストールする場合の手順も紹介されているので、クリーンインストールする場合には、そちらを参考にするといいだろう。


実際の手順とその準備

 以下に、上書きインストールの流れを紹介しよう。

1. Windows Vistaをリカバリする。

 リカバリをしなくてもよいが、1年間使ったD4だったので空き容量が少なかったこともあり、リカバリを行った。

2. 「C:\Program Files\Windows Mail」のバックアップ(ディレクトリごとコピー)

 Windows 7 RCではWindows Mailが異なっているため、オンラインサインアップができないため。

3. シリアル/モデムドライバのアップデート(Ver.Lなどすでにアップデート済みの場合は不要)

 以下のサイトからアップデータを当てる。

http://d4support.sharp.co.jp/menu/download/driver/download.shtml?mid=1&mn=WS016SH

 サイトに記されているアップデート手順に従ってアップデートする。コントロールパネルよりモデムドライバとUSBシリアルドライバを削除し、Bluesoleiをコントロールパネルの「プログラムのアンインストール」によってアンインストールする。次に、記載された手順でドライバなどをインストールする。

モデムドライバを削除しているところ。手順に従えば難しくはない。続けて表示される画面で「このデバイスのドライバソフトウェアを削除する」チェックボックスをチェックするのを忘れないようにしよう。

4. JWord、ウイルスバスターのアンインストール(プリインストールのウイルスバスターはWindows7で動作しない)

ウイルスバスターのアンインストール画面。Windows 7 RCでは利用できないため、あらかじめ削除しておく。

 これで、事前の準備は終わった。次にWindows 7 RCをアップグレードインストールする。まずは、Windows 7 RCをダウンロードする必要がある。

Windows 7 RCのダウンロード

 次に、Windows 7 RCをダウンロードする。ダウンロードサイトは、「Windows 7 製品候補版: ダウンロードの手順」だ。ダウンロードするには、Windows Live IDが必須だ。Windows Live IDがない場合は、作成しておこう。MSN Hotmail、MSN Messenger、Passportのアカウントがあれば、それがWindows Live IDとなる。

 D4の場合は、「32ビット版のダウンロード」で「日本語」を選択し「GO」をクリックする。Windows Live IDの入力ページとなるのでIDとパスワードを入力する。

Windows 7 RCのダウンロードでは、「32ビット版のダウンロード」で「日本語」を選択し「GO」をクリックする。
Microsoftサイトへのアサイン画面。Windows Live IDのIDとパスワードを入力する。

 続けて、「名」「姓」「電子メールアドレス」「地域/国」など、必要な項目を選択する。電子メールアドレスの確認メールが送られてくるので、アドレスを確認し、メールのアドレスをクリックしてジャンプする。

名前、電子メールのアドレスなど必要事項を記入しよう。
メール受信後、指定URLへジャンプしてメールアドレスの確認を行う。

 URLのページにジャンプ後、プロダクトキーが表示されるので、印刷するか記録しておく。同じ画面で「今すぐダウンロード」をクリックしよう。サイズは2.52GBあるので、時間がかかるし、ある程度の空き容量が必要となる。DVDディスクのISOイメージだ。デフォルトのファイル名は「7100.0.090421-1700_x86fre_client_ja-jp_retail_ultimate-grc1culfrer_ja_dvd.iso」だ。

プロダクトキーは後で入力する必要があるので控えておこう。
ダウンロード中の画面(FireFoxの場合)。

 ダウンロードしたファイルは、ISOファイルなので、ISOファイルをDVD-Rに焼くユーティリティーソフトウェアが必要だ。筆者はInfraRecorderを利用したが、好みのソフトを使えばいいだろう。


Windows 7 RCのインストール

 D4のBIOSを設定してインストールDVDでパソコンを起動するか、インストールDVDを既存のOS上から実行する。Windows Vistaを起動している状態で、先ほどのDVD-Rを入れると、下のようなメニューが表示される。ここでは、「今すぐインストール」を選択してみた。「一時ファイルをコピーしています」「開始しています」などと表示された後に、「インストールの重要な更新プログラムの取得」の画面、「最新のインストールの更新プログラムを取得しない」を選んでみた。

今回は、インストールの開始画面「今すぐインストール」を選択した。
「インストールの重要な更新プログラムの取得」の画面。「最新のインストールの更新プログラムを取得しない」を選んでみた。

「ライセンス条約をお読みください」と表示されるので、「同意します」をチェックして、「次へ」をクリックする。さらに、「インストールの種類」を選ぶ画面となるので「アップグレード」を選択する。

「インストールの種類」の画面。「アップグレード」を選択する。

「互換性のレポート」の画面は「次へ」クリック。「Windows のアップグレード中」と表示され、アップグレードが開始された。

「Windows のアップグレード中」画面。ようやくアップグレードが開始された。

 アップデートではなく新規インストールを選んだ場合は、「インストールの種類」が表示され、「標準のインストール(カスタム)」、「Windows のインストールする場所を選択して下さい」と表示される。「ディスク 0 Partition 2 MEB_V76010T (C)」を選んで「次へ」クリックしよう。この際、十分な空き容量(5GB以上?)がないとインストールはできない。「以前のOSが削除されてしまう」といった警告が出るが、「OK」をクリックして進めるといい。「Windowsのインストール中」とメッセージが表示され、実行中の項目で何パーセント進行しているかわかるようになる。さらに、画面の下にバーが表示され、大体どのくらいまで終わっているのかがわかるようになっている。「互換性をオンラインで確認する」「今すぐインストール」の選択では、後者を選ぶ。

 アップグレードが開始されると、その作業中、ログオフしてシャットダウンし、再起動後、Windowsのインストールが再開される。何度かリスタートを繰り返しインストールは終了する。


Windows 7 RCの起動

「初めてコンピューターを起動する準備をしています」と画面下に表示される。次に「ビデオのパフォーマンスを確認しています」とメッセージが変更される。

 新規インストールでは、この後、「Windows のセットアップ」画面が表示され、「国または地域」「時刻と通過の形式」「キーボードレイアウト」を選択する。通常であれば、デフォルトの「Japan」「Japanese (Japan)」「Microsoft IME」でいいだろう。「次へ」をクリックすると、新規インストールでは、「ユーザー名を入力してください」「コンピューター名を入力してください」とメッセージが表示されるので任意に入力する。次に、「ユーザーアカウントのパスワードを設定します」と表示されるので、パスワードやパスワードのヒントを決める。「次へ」をクリックする。アップデートでは、こういった必要はない。

「Windowsのプロダクトキーを入力してください」とメッセージが表示されるので、先ほど記録したプロダクトキーを入力する。なお、大文字で入力する必要があるが、特にCapsLockを押す必要はないようだ。ハイフンも自動的に入力してくれる。入力が終わったら「次へ」をクリックする。

 新規インストールでは、「コンピューターの保護とWindows の機能の向上が自動的に行われるように設定してください」とメッセージが表示されるが、アップデートでは特にこの設定は必要ない。新規インストールでは、「日付と時刻の設定をします」とメッセージが表示されるので日時を設定しよう。こちらもアップデートでは特に必要ない。

「コンピューターの保護とWindowsの機能向上が自動的に行われるように設定して下さい」と表示されるので、3つの中から選択する。最後に日付と時刻を設定する。

「Windows設定の最終処理を実行しています」とメッセージが表示された後に、Windows 7 RCが起動する。アップデートでは、W-SIMを入れている場合、「W-SIMユーザー登録」のダイアログが表示される。

「コンピューターの保護とWindowsの機能向上が自動的に行われるように設定して下さい」の画面。W-SIMで利用する機会があるユーザーは、慎重に選んだ方がいいだろう。
「日付と時刻の設定を確認します」の画面。アップデートの場合、以前の日付や時刻がそのまま利用される。
Windows 7 RCが起動したところ。W-SIMを入れていると「W-SIMユーザー登録」ダイアログが表示される。

ドライバなどのインストール

 上で紹介したWikiの記載とは異なり、アップデートの場合は、ディスプレイの解像度があらかじめ1024×600に変更されているので、特に設定する必要はない。

 ただし、タッチパッドの移動量が少なすぎるので「C:\SHARP\DRIVERS\TouchPad\TouchPad.reg」をダブルタップしてこれを読み込んで修正しよう。また、「コントロールパネル」→「マウス」→「ポインターオプション」タブで「速度」を「速く」にした方がいいだろう。

マウスポインタの速度を変更する。「速く」にした方が使いやすいだろう。

 また、カメラアプリは利用できないようで、アンインストールした方がいいようだ。

 デフォルトでは、「Desktop Window Manager Session Manager」が起動しているので、軽くするために停止して、手動起動に設定した方がいいかもしれない。

 続けて、「電話とモデムのオプション」で「SHARP W-SIM Modem」をインストールする。「コントロールパネル」→「システム」→「デバイスマネージャー」→「操作」→「レガシーハードウェアの追加」→「モデム」を選択。「一覧から選択するので検出しない」を選択し、「次へ」をクリックする。一覧から「SHARP」を選択し、一覧から「SHARP W-SIM Modem」を選択する。「COM3」を選択し、「完了」を選択する。

W-SIMモデムのドライバをインストールする。手順は通常の流れだ。

 メールを正常に使えるようにするために、「C:\Program Files\Windows Mail」を適当な名前にリネームしてから、バックアップしたWindows Vistaの「Windows Mail」をその名称のまま、その場所にコピーする。つまり、Vistaでバックアップした「Windows Mail」のデータを利用できるように置き換えるわけだ。

Vistaの「Windows Mail」のデータをコピーして持ってくる。オンラインサインアップなどを正常に行うためにも必要な操作だ。

ベンチマークと体感など

 インストールを終えて、正直、こんなにもVistaと違うのかというのが実感だ。Vista特有のややもっさりした感じがなくなり、キビキビとまではいかないかもしれないが、表示についていえば、ほとんどストレスを感じることなくなった。「できるなら最初からやって!」という気もしなくもないが、少なくともWindows 7のインストールは、十分メリットがあるといえる。

 ちなみに、Crystal DiskMark(作者:ひよひよ氏、フリーウェア)というHDD、USBメモリなどの転送速度を測るソフトでベンチマークを測定してみると、結果は以下の通りとなった。データサイズ100MBの読み下記を5回行った際の平均値である。それぞれ図の中の数値を確認してほしい(数値は高いほど好成績)。

筆者が1年以上使用したWindows Vista。筆者が実際に1年以上使用した後の状況だ。
リカバリした直後のWindows Vista。
クリーンインストールしたWindows 7 RC。
上書きインストールしたWindows 7 RC
Windows 7 RCをインストールしたD4。これで3年は戦える?

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