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古田雄介の“顔の見えるインターネット” 第52回

本能を隠す必要なんてない さらしる氏の生存証明

2009年07月14日 13時00分更新

文● 古田雄介

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個人サイトに放送禁止ルールを持ち込まない

―― 淡々と……の特徴として、アダルト系のネタも躊躇なく扱っている点がありますね。これも当初からのコンセプトですか?

2009年の冬にもコミケで何かを売りたいという。「夏は買う側に専念します。他のサークルがオナホールを売っていたら、間違いなく買うでしょうね」とのこと

さらしる ええ、自分自身がエロに強い興味がありますからね。ただし、最初の頃は「警察官が少女にわいせつ行為をはたらいた」といった、一般サイトでも扱われるような時事的なものに留めていたんですよ。

 今みたいにアダルトグッズを堂々と紹介するようになったのは2004年頃で、オリエント工業が等身大のシリコンドールを発売したのがデカいですね。「これは紹介せねばなるまい!」と使命感に燃えたんですよ。

 もともと、エロゲーのレビューサイトはたくさんあるのに、リアルなエログッズの紹介はなんで駄目なの? という思いがあったので、それからはエロネタが増えましたね。所詮、エロゲーとリアルエログッズの違いなんて、ネットにおけるメジャーかマイナーかの違いしかありませんし。


―― その流れで2008年末にオナホールを作って販売したわけですね。

さらしる はい。もともとコミケで何か販売しようという思いがあり、色々考えて完全オリジナルのオナホールを販売しました。

 正直、コミケに申請した段階で断られるだろうなと考えていましたが、なぜがすんなり通ってしまったんですよ。それで販売までは「ずいぶん叩かれるんだろうな」と覚悟していましたが、意外とそれほどでもなかったですね。


―― 叩かれるというのは、「リアルエログッズを売るな!」という反感からですか?

さらしる それに加えて、少し前だとコミケ界隈でも「ニュースサイトの管理人が俺たちのテリトリーに入ってくるな」という空気があったんですよ。だから、下手に色々活動するのは危険だという意識も残っていましたね。そうした雰囲気が解消されたのは、本当にごく最近のことだと思いますよ。

 今、日本の法律でロリコンを規制する法案があるじゃないですか。それによって、オタク界隈の空気がひとつにまとまっていると思うんですよね。共通の敵があると団結力が増す法則で。だから、ロリ規制の活動家の人達にはこれからもガンガン頑張ってほしいと思いますね(笑)。本当に規制されたらそれはそれで困るんですけど。


―― あの大使とか、あの政治家とか(笑)。あと、個人的に感心しているのは、性器の表現で伏せ字を使わずに堂々と放送禁止用語を書ききっていること。マスメディアのルールを個人サイトに持ち込む必要がないことを知っている感じで好感が持てます。

さらしる だってあれば自主規制ですしね。自分のページなんだから、法に触れないなら基本は何書いてもいいと思うんですよ。ニコニコ動画などに書くのは、他人のページなんでどうかと思いますけど。

 ブログでもニュースサイトでも、自分のページなんだから自分で責任を持ってもっと好きなこと書けばいいと思うんですよ。それで叩かれたら、凹みますけど「自分で書いたんだから仕方がない」と諦めがつきますし。そこで法律でもない他人のルールを導入することはないんですよ。

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