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Twitterとイラン騒動、ネットとメディアに何が起きたのか

2009年07月03日 12時00分更新

文● 山崎富美

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「ハッシュタグ」と「まとめサイト」でまとめられていく市民の声
BBCも採用した「緑の運動」

 Twitterの特徴はリアルタイム性が高いことですが、逆にどんどん情報が流れてしまうということもあります。そこで、イランに関するtweetをまとめて見ることができるよう、多くのユーザが「#iranelection」というハッシュタグ(つぶやきの冒頭につけるキーワード)をつけてつぶやくようになりました。

 一時期、CNNでのイラン問題の扱いが少なすぎるということに抗議するため、Twitterユーザーたちが「#CNNFail」というハッシュタグを利用するケースもありました。その後、CNNはイラン問題を大きく取り上げるようになりました。このように多くの人が使うことで何かのテーマについて注目を集めたいときにもハッシュタグは使われます。

Twitterまとめサイト作成サービスTwazzup内に作られたIran特集ページ

 また、TwazzupというTwitterまとめサイト作成サービスではイラン特集ページも作られました。TwitterのつぶやきやFlickrの写真、YouTubeの動画やGoogleNewsのニュースなどが掲載され、インターフェースやコンテンツもそのときの話題に合わせてどんどん変更されています。

 例えば #iranelection の情報は常に表示したまま、上記のCNNへの抗議行動が活発化した時期には #CNNFail のセクションができる、といった具合です。

 イラン問題について抗議を表明する人はTwitterのアイコンを緑にしようという運動が広がり、数多くのユーザーがアイコンを緑色に変えました。緑色はイスラムを象徴する色であると共にムサビ氏のキャンペーンカラーでもあり、現在の抗議活動の象徴の色でもあります。また、BBCがサイトの色を緑色に変えたことも話題になりました。

アイコンを緑色にしようという運動が広がり、BBCのサイトも一時緑色に変更された


イランでのネットアクセスに必要な情報、支援するユーザーも

 現在イランでは情報統制が厳しいということは冒頭でお伝えした通りで、インターネットも例外ではありません。TwitterやFacebookのようなサービスは全てアクセス禁止になっており、現在使える人はProxyを使う等の回避手段をもっている人、ITリテラシーが高い人のみです。

 ほとんどの人はネットが使えなかったり、ネットは使えるがアクセス禁止を回避する措置を知らないといった状態で、情報を発信し続けられるイラン国内の人はかなり少ないのではないかといわれています。

 Twitterユーザーの中にはそういった希少な情報を発信し続けられるように支援するグループも生まれており、「サイバー戦争対策サイト」のようなサイトも作られています。

サイトの例。Proxyの使用方法を説明している

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