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モバイルノートも14型の時代!? ThinkPad T400s発表

2009年06月24日 18時56分更新

文● 小西利明/ASCII.jp編集部

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ThinkPad T400s

ThinkPad T400s

 レノボジャパン(株)は24日、14.1型液晶ディスプレーを搭載するモバイルノートパソコン「ThinkPad T400s」を発売した。価格は19万9950円から(ダイレクト価格の場合)。

モバイルノートとしては大画面のうえ軽い

外見は従来のTシリーズやXシリーズと似ているが、モバイルノートとしては大画面のうえ軽い!

 ThinkPad T400sはレノボのラインナップでは14型級のハイエンドに属する製品で、13型級のモバイルノート「ThinkPad X300」シリーズで導入された薄型軽量化の技術を用いて設計されたモバイルノートである。

 ThinkPad T400sはハイスペックながら薄型軽量化を実現。サイズが小さいスモールフォームファクター(SFF)向けのインテル製CPUとチップセットの採用や、高密度実装基板の採用により、従来のThinkPad T400と比べて基板の実装サイズを約38%、基板重量は約83%も低減。フットプリントはほとんど変えずに、厚さ約25%減、重さは約20%軽量化を実現したという。重さは約1.77kg(BDモデル)、厚さは21.1~25.9mmとなっている。

薄型化を実現

発表会での説明スライドより。小型パッケージのプロセッサーと基板の高密度実装化により、薄型化を実現

液晶ディスプレーはLEDバックライトタイプ

液晶ディスプレーは薄型化に向いたLEDバックライトタイプ。輝度も非常に高く設定できる

従来のT400(写真左)と並べて

従来のT400(写真左)と並べて。厚さの違いは歴然

 ThinkPadのキーボードは評価が高いが、ThinkPad T400sでは使いやすさに配慮した新しい仕様がいくつか取り入れられている。

T400sのキーボード

T400sのキーボード。広いキーピッチを確保して入力しやすいだけでなく、使用頻度の高いEscキーやDeleteキーを大きくしている

 目で見てすぐに分かる大きな違いは、EscキーやDeleteキーのサイズ。ユーザー調査で使用頻度が高かった両キーのサイズを縦に拡大して、押しやすくしている。キーを支えるパンタグラフ構造も改良し、クリック感向上やタイプ音の低減を実現したほか、キー同士の隙間を若干小さくして、隙間からゴミなどが入ることを防いでいるという。同社大和事業所でT400sの製品開発を統括した磯田 肇氏は、「代々の機種の中でも優れもの」と、このキーボードに胸を張る。

 高い処理性能も要求されるTシリーズの最新機種だけに、性能面でも充実している。CPUにはCore 2 Duo SP9400(2.40GHz)を搭載。ディスプレーはサイズの広い14.1型で、解像度も大きめの1440×900ドットとなっている。ストレージはHDD(250GBまたは120GB)のほかに、64GBか128GBのSSDも選択できる。海外モデルは256GB SSDのモデルもラインナップされているが、日本向けには今のところ用意されていない。薄型のボディーながら、取り外し可能なウルトラベイ・スリムにDVDスーパーマルチドライブかBDコンボドライブを内蔵する点も特徴のひとつだ。OSはWindows XP Professional SP3(Vista Businessダウングレード)をプレインストールしている。

T400sのマザーボード

T400sのマザーボード(本体裏面側)。小型のCPUやチップセットはマザーボードに直付け。基板は10層タイプ

T400と比較した熱分布や騒音レベル

T400と比較した熱分布や騒音レベル。裏面の熱の広がりが縮小され、高温部も小さいことが分かる

 バッテリーは薄型のリチウムイオン充電池(6セル)を搭載。バッテリー駆動時間は最大約6.3時間。ウルトラベイ・スリムにオプション・ベイ・バッテリーを追加装着した場合は、最大約11時間の駆動時間を実現する。

コネクター類は本体背面に集中

薄型化のため、コネクター類は本体背面に集中。映像出力はアナログRGBとDisplay Portの2つを装備

新開発のドックも3種類用意。写真左は端子類の充実した「ミニ・ドック III」。右はディスプレー出力を5ポートも備えたハイエンドドック「ミニ・ドック プラス III」

 価格は同社ダイレクト価格で19万9500円と、決して安くはないが、盛りだくさんの仕様ながら20万円を切っている。BDコンボドライブモデル(HDD 120GB)は20万4750円。


WiMAXモデルも7月に投入!

 発表と同時に発売されたモデルにはないが、インテルのWiMAX/WiFi通信モジュールを内蔵したモデルも、7月には発売される予定だ。磯田氏によると、本来はまだWiMAXの通信圏外にある大和事業所で実験したところ、USBドングル型WiMAX通信モジュールでは安定した通信ができない状況でも、ThinkPad T400sの内蔵アンテナと内蔵モジュールの組み合わせでは、YouTubeの動画も安定して再生できたという。

独自の通信ユーティリティーを搭載

独自の通信ユーティリティーを搭載。WiMAXへの接続を高速化したほか、WiMAXとWiFiの電波強度を見て自動切り替え機能を持つなど、実用性の高さに期待が持てる

大和事業所での内蔵WiMAXとUSBタイプの実証テスト結果

大和事業所での内蔵WiMAXとUSBタイプの実証テスト結果。安定してMbps級の通信ができているという

 独自のWiMAX通信ユーティリティーを搭載することで、WiMAX接続の高速化やWiFiとの切り替えを実現。WiMAXとWiFiの使い分けを簡単にするなど、単なる“WiMAX内蔵”ノートに止まらない使い勝手を実現しているようだ。製品版の登場を期待したい。

ThinkPad T400s(2801A7J)の主な仕様
CPU Core 2 Duo SU9400(2.40GHz)
メモリー 2GB
グラフィックス Intel GS45 Expressチップセット内蔵
ディスプレー 14.1型ワイド 1440×900ドット
HDD 250GB
光学ドライブ DVDスーパーマルチドライブ
無線通信機能 IEEE 802.11a/b/g/n、Bluetooth 2.1
サイズ 幅337×奥行き241×高さ21.1~25.9mm
質量 約1.79g
バッテリー駆動時間 約6.3時間
OS Windows XP Professional SP3(Windows Vista Businessダウングレード)
価格 19万9500円(ダイレクト価格)

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