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我々はプロ意識がなかった――ジャレコ加藤社長が語る同社の過去と未来

2009年06月20日 14時00分更新

文● ASCII.jp編集部

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ゲーム会社としての「誇り」を取り戻したかった

―― 今日は本当に色々とお話しいただこうと思っていますので、よろしくお願いします。まず、ジャレコの社長になる前はどんな仕事をされていたんでしょう。

加藤貴康氏(以下、加藤) 大学を卒業してからしばらくコンサル企業に勤めていました。その後、広告代理店や金融業界を渡り歩き、ジャレコ・ホールディングに入社したのが2007年のことです。

 入社と同時に、現在のジャレコのプロモーションを手伝ってほしいと言われ、ジャレコに行くことになったんですが、それから翌年の3月には執行役員副社長という肩書きになり、7月には社長になりました。

 会社の体制や人事の面でもかなりばたばたしていたというのは社内に身を置く私も感じていました。そういったものが会社の内部事情をあらわしていることになると思うんですけど。外部要因で社員が振り回されているという状況が続いていました。

加藤貴康社長。ジャレコ社員には、ゲーム会社の社員として誇りを持てる仕事をしてもらいたいと熱く語った


―― その1年後、2009年1月に現在のゲームヤロウに「1円」で譲渡されたわけですね。

加藤 事前に聞いてはいましたので驚きはありませんでした。1円譲渡と言っても、もちろん会社に価値がないというわけではなく、資産と負債を引き受けるという条件で、株式に対しては実質1円になっているというだけでしたから。


―― 「海外企業に売却される」ときのショックはありましたか。

加藤 エンターテインメント企業のグループに入るということで、ネガティブにとらえた社員はいませんでしたね。わたし自身も韓国バーなんかにはよく行きますし、韓国に対する印象は非常に良かったですから、何の抵抗もありませんでした(笑)。

 もっとも、社員の中には不安を抱いた者もいたようですが、たとえば韓国企業が親会社になったことで、突然外国人の社員が来たわけではないだろうという風に言っています。

親会社のゲームヤロウは、韓国最大のオンラインFPSゲーム「サドンアタック」を開発している韓国のオンラインゲーム企業「GameHi」の日本法人だ


―― その後に打ち出された「ジャレコ再生プロジェクト」のページはかなり思い切ったサイトデザインにされていましたね。

加藤 そうですね。あれくらいやってもまだ足りないと思っています。どこに責任があるかと言われればそれまでの経営陣です。当然私にもその責任はありますよ。社員を迷わせず、ゲーム会社らしい仕事をちゃんとやろう、一度傷ついたブランドを再生しようという思いをこめています。

 これまで社員たちはゲーム会社の社員としての誇りを持てていなかったと思うんですね。きちんともの作りをすべき会社なのに、ゲームそのものがぞんざいな扱いになっていた。それを変えようという意思を込めています。

 お金がないのであれば、現在ユーザーから意見をもらいながら作っている「the:rpg」のようにウェブ上で意見をもらうことだって出来るわけですよ。その3割がまともで、7割がふざけていたとしても、そのどちらの意見も今の会社には重要だと思っているんです。私たちがどう見られているかも、この意見から知ることができるわけですよね。

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