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遠藤雅伸氏が語る「ドルアーガの塔はE.T.から生まれた」

2009年06月22日 12時00分更新

文● 千葉英寿

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クリエイターの才能をビジネスにするために
才能あるプロデューサーが必要になる

―― 同人ゲームであることを売りにしているパッケージ作品も増えてますね。

遠藤 そういう意味では「2次創作に対して寛容か、そうでないか」という話でしか判断できなくなっています。最近はワンデーライセンスなどで2次創作を許諾する例もあるので、その境も曖昧になっていますが。

異質な感性を持つクリエイターを世に羽ばたかせるのも「プロデューサーの才能」と言う公野氏

公野 同人作家の方が2次創作ならクリエイティビティーを発揮するのに、オリジナルとなると途端に描けなくなる例が多いのはなぜなんだろうと考えると、やはり「一番初めのもの」を作ることができるのがある種の異質な感性だと思わされます。その上で、それをビジネスの路線に乗せられるのがプロデューサーとしての才能だと思うんです。

 6月のイベントではアスミック・エースの映画プロデューサー、宇田充さんに来ていただくんですが、この方もまたすごい方なんですよ。担当されたのが宮藤官九郎さんが監督の「真夜中の弥次さん喜多さん」で、話は同性愛と薬物中毒がモチーフです。そこにジャニーズの長瀬智也さんと歌舞伎の中村七之助さんをキャスティングしたんですよ。

 これはどうやってレギュレーションを組んだんだろうかと。普通に考えたら、絶対に成立しそうにない企画じゃないですか。さらに成立させただけじゃなくそれをヒットさせちゃったんだから、これはプロデューサーの才能としか言いようがないわけですよ。


―― 異質な感性を見つけ出してビジネスにのせ、それも成功させてしまう。プロデューサーと言うのはすごい仕事ですね。

遠藤 その意味で、あまりにも「異質」な僕をクリエイターとして拾いあげてくれたナムコの中村雅哉さん(バンダイナムコゲームスの創業者・名誉相談役、バンダイナムコホールディングス最高顧問)に恩返しするため、業界の地位そのものを上げ、日本の産業界で重要なものとして位置づけたいと思っているんです。

 これは「パックマン」を作った岩谷徹さんとの命題なんですよ。作品を創ってクレジットに入って喜ぶのはアマチュアです。これからは後進を育てて行くのが大事だし、自分のミッションだと思っています。

公野 そうですね。中村さんの援助がなければ映画界も命脈を保てなかったはずなんですが、当時の映画業界には「作るだけ作って、結果を見ずに姿をくらます」という詐欺師のようなプロデューサーが横行していたんですよ。クレジットに名前が入った時点で逃げてしまうという(笑)。こういう暗部を是正したいというのも、セミナーの思想ですね。

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